<バレーボール:全国高校選抜優勝大会・東九州龍谷3-1古川学園>◇最終日◇26日◇男女決勝◇東京・国立代々木第1体育館

 女子決勝で、古川学園(宮城)は昨年と同じ東九州龍谷(大分)に1-3で敗れ、10年ぶり5度目の優勝を逃した。雪辱の気持ちが空回りし、立ち上がりに6連続失点。第3セットを奪い返す意地は見せたが、最終セット終盤にも8連続失点して力尽きた。全国制覇目前で2年連続準Vに甘んじたチームは、今夏の全国高校総体での雪辱を誓った。

 昨年のストレート負けに続く、決勝での完敗。古川学園のメンバーたちは試合後、約250人の応援席にあいさつした直後に、耐えていた涙をあふれさせた。勝てば、八王子実践(東京)と並ぶ優勝5回の大会タイ記録に並んだが、逆に東九州龍谷の連覇を許し、通算優勝回数で並ばれた。岡崎典生監督(40)は「去年と同じ相手に負けるとは。監督が未熟でした」と選手たちをいたわった。

 大一番でメンタル面の差が出た。ユース日本代表を含め、中学時代からの全国経験者が多い相手に対し、今年のチームは10人全員が東北出身者。岡崎監督は「技術の差というよりも、1年生が大事なポジションを占めていたのに(精神面で)指導し切れなかった」とチーム全体の経験値の違いを敗因に掲げた。

 “自滅”を象徴する失点は相手の3倍以上の22失点。相手レシーブを乱すどころか、サーブミスだけで7失点と、要所要所でリズムを崩した。

 だが、最終セットは昨年からの悔しさを知る池田智美主将と渡辺沙織の2年生レフト2人がバックアタックを見せるなど、最後まで攻めの姿勢は貫いた。4月には昨年の全国中学を制した裾花中(長野)のセッターとエースアタッカーを含む新1年生たちも入学する。岡崎監督は「決勝の舞台で力を発揮できるのが本当の実力。このままでは終われない。もうひと回りタフなチームになって、夏に向けて頑張りたい」とチーム立て直しを誓った。【佐々木雄高】