年明けの虎番は忙しかった。球団は1月2日から5日にかけてルーキー8選手の取材日を設定してくれていた。それに合わせて記者は全国を飛び回る。大阪、群馬、茨城、島根、山口、福岡…。選手たちは年末年始と実家に帰省しているため、取材場所は自然と出身地や母校になる。取材する側にとっては日本縦断の「新人ツアー」だった。

 ドラフト1位の大山も茨城・つくば市にある母校つくば秀英の野球部グラウンドで練習を公開。関東平野の北部に位置する自然豊かな場所で決意を新たにした。大山だけではない。実際にこうやって新人選手の地元を見てみると、こう言ってはなんだが、自然豊かな場所で育ったことが分かる。

 「ドラフト上位で指名される選手でも、都会の子は体に力がないと感じるときがある」

 中日の前監督で今季から日刊スポーツの評論家に就任した谷繁元信氏の言葉だ。3021試合というプロ野球最多出場の記録を持つ谷繁氏の出身地は、広島・庄原市。少年時代の遊び場は山であり川だった。自然の中で培った体の強さが、誰よりも長くマスクを被り続けることができた1つの要因。そう振り返った。

 「谷繁論」からすれば、今年の阪神の新人たちは楽しみな素材が多いということにもなる。プロ野球最多出場とまでは言わないが、新人選手が1日でも長くユニホームを着ることを願う。【阪神担当=桝井聡】