完封&大会1号で難敵撃破だ。第89回選抜高校野球大会(12日間・甲子園)が今日19日、開幕する。18日は甲子園で開会式リハーサルが行われた。今日の第2試合で同じく優勝候補に挙がる履正社(大阪)と対戦する日大三(東京)は、兵庫・西宮市内で最終調整。「ドクターK」桜井周斗投手(3年)が「0点で抑えたい」と宣言すれば、「デカプリオ」こと金成麗生内野手(同)も「芯を食えば(スタンドに)入る」と燃えた。

 エース左腕桜井は自信に満ちていた。ブルペンで直球と宝刀スライダー、解禁したばかりのチェンジアップを投じた。履正社・安田、若林をイメージし、左右ともに内角低めを意識した。約30球の感触を確かめ「いい感じです。スライダーはワンバウンドになってもいいくらいの気持ちで。基本的には0点で抑えたい」と言った。打っては柵越え2本と好調。たとえ打たれても、打ち返す気は満々だ。

 「デカプリオ」こと金成は柵越え1本も、ライナー制の打球を逆方向へ飛ばした。「打点を意識していますが、やっぱり自分の中では本塁打が一番いいバッティング。捉える自信はあります」と高校通算20本塁打の長距離砲がうずく。OBの阪神高山らが優勝した11年夏の甲子園を見て日大三へ憧れた。先日、先輩が宿舎へ来て激励してくれた。「あの代に負けないバッティングをしたい」と気持ちは高ぶる一方だ。

 昨秋の明治神宮大会決勝で履正社に敗れた早実・清宮からは、リハーサル時に「頑張れよ、勝ってよ」と“敵討ち”を頼まれた。エース竹田攻略の具体的なアドバイスも受けた。金成はアドバイスに感謝しながらも「やっぱり打倒早実。決勝で早実と当たりたい」と昨秋都大会決勝の再戦を願う。大会屈指の実力校が今日激突する。【和田美保】