プロ注目の糸魚川白嶺・綱島龍生(りゅうせい)遊撃手(3年)が2本の長打を打って、新井に11-3の7回コールド勝ちに貢献した。プロ7球団のスカウトが見守る中、3-0の2回1死一塁で右越えの適時三塁打。5-0の4回1死三塁では、左中間への適時二塁打を放った。

 178センチ、71キロの糸魚川白嶺・綱島にはパワーが詰まっていた。2回だ。1ボールからの内角直球を強振。「バットの根っこに当たった」という打球はジャストミートしなくても、右翼手の頭上を越えた。4回の二塁打は低めの直球を逆らわずに左中間へ。「1本でも多くの安打を打って、チームを楽にさせたい」と生真面目に話した。

 スタンドで見守った西武前田俊郎編成部長(51)は「打撃のセンスがある。身体能力も高い。素材としては申し分ない」と評価。持ち味は足と肩。俊足ぶりを発揮したのは5回1死一塁での打席。二ゴロに終わったが、二-遊-一の併殺は免れた。すかさず盗塁して二塁を陥れた。丸山卓真監督(42)は「(綱島の)全力疾走はチームにプラス」と言った。

 冬場のウエートトレーニングでパワーをつけた。ベンチプレスは60キロを10回3セットで繰り返した。ティー打撃は「強い振りを意識して2~3箱打った」。そんな冬を乗り越えて、春初戦から2安打3打点。「詰まっても三塁打になったのは、冬にウエートトレーニングを積んだおかげ」と胸を張った。【涌井幹雄】