<高校野球春季北海道大会:白樺学園4-2北海>◇2日◇準々決勝◇札幌円山
ダブルで強豪撃破だ。白樺学園が、センバツ甲子園8強の北海を破り、春全道初のベスト4進出を果たした。4番岡田直也一塁手(3年)が5回表に決勝2ランを放つなど、8安打で4点を奪い、北海のエース玉熊将一投手(2年)を攻略。春先はチームがバラバラだったが、打倒北海を掲げ、春優勝最多9度の強豪を倒した。旭川南も北海と並ぶ優勝9度の東海大四を9-5で下し、こちらも初めて準決勝に進んだ。
二筋の涙がチームの成長を物語っていた。円山球場に初の4強進出を決めた白樺学園の校歌が流れると、多田啓佑主将(3年)と隣の4番岡田の目から涙が止めどなく流れていた。校歌が終わると2人は歩み寄り出場のなかった多田が「ありがとう」と殊勲の4番打者に感謝を述べた。
前日、ベンチ入りメンバー18人で1日の北海-駒大岩見沢戦のビデオを見たが、岡田ら2人が15分間だけ友だちに会いに抜けた。チームが一丸となろうとしている時。多田は黙っていられなかった。多田は「ベンチに入れないメンバーの気持ちを忘れるなと言った。その2人が結果を出してくれてうれしかった」と目頭を熱くした。
気迫でセンバツ8強エースを打ち崩した。2-0とリードした5回表2死一塁で打席には4番岡田。玉熊の高めに浮いた直球を振り抜くと向かい風をものともせずに、左中間芝スタンドの上段に突き刺した。6回裏に2点を取られただけに、値千金の決勝点だった。岡田は「申し訳なかった。絶対に打ちたかった」と満足げな笑みを浮かべた。
3月11日の東日本大震災の影響で同下旬の道外遠征が中止になり、チームは目標を見失った。モチベーションが下がり覇気がうせた。見かねた戸出直樹監督(35)が05年の春全道で前年夏の甲子園を制した駒大苫小牧を9-7で破った先輩たちの心意気を伝えた。
多田を中心に選手だけで6~7時間のミーティングを開き当時のビデオを見て、先輩たちが作り上げてきた伝統を心に刻み込んだ。多田は「声を出し、気迫にあふれた先輩たちをみて刺激になった。今一番強いのは北海。打倒、北海が目標になった」。今大会も初戦の鵡川に続き、北海を撃破。伝統の大物食いでチームは再生した。岡田は「夏のために優勝します」と語気を強めた。目標を上方修正した。それは全道の頂点だ。【松末守司】

