少年よ、走塁技術を磨け! ヤクルトの山田哲人内野手(26)が、走塁の重要性を説いた。16日、福島・楢葉町で行われた野球教室に参加。福島県内の少年野球10チーム、約200人の子どもたちに自身の走塁論を伝えた。

目の前に集合した子どもたちに問いかけた。「盗塁をする時、一番大事なことは?」。口々にこたえる子どもたちを前に、真剣な表情でマイクを握った。「大事なのは構え。構えは中腰だよね。ポイントは、若干つま先体重になること。スタートを切る時も、けん制で戻る時も、つま先体重になるから左右どちらにも動ける」。身ぶり手ぶりを加えながら、体勢を見せて熱弁した。「打撃も、守備も大事だけど、走塁も大事。足で勝利に貢献できることもある」。史上初めて3度のトリプルスリーを達成した選手の言葉に、子どもたちも目を輝かせた。

今季33盗塁で自身3度目の盗塁王を獲得したが、走塁を意識したのはプロ入り後だという。「走塁を教える野球教室は少ないから、(今日は)力を入れて教えた。野球は打撃、守備になりがち。子どもの頃から幅広く野球を考えて、レベルアップにつなげられたら」と願う。

重要性が分かっているからこそ、来季の目標には日本プロ野球初の「40本塁打・40盗塁」を掲げる。「意味のない盗塁はしたくないけど、数は貪欲に。内容にこだわって40にいけたら」。16年に盗塁王に輝いた際は、成功率9割3分8厘。盗塁成功率10割も「究極の数字ですね」と意識する。バットだけではない。子どもたちの手本として、足でも魅了する。【保坂恭子】