<中日8-7DeNA>◇15日◇ナゴヤドーム

 DeNA中畑清監督(59)は、審判のあり得ない勘違いに怒りが収まらなかった。

 「不手際だね。投手心理ももちろん、ベンチもおかしなムードを作った。ああいう緊迫したところのミスはでかい。審判のルール上のミスはあり得ない」とぶぜんとした表情だった。

 問題の場面は3点差に詰め寄られた4回1死一、三塁だった。先発須田が代打堂上剛に1球を投じたところで、ベンチは小林太へのスイッチを決断。しかし、責任審判の東三塁塁審が「代えられない」とし、交代を認めず。ベンチに下がった須田を再びマウンドに戻すように指示された。

 この指示が、投手コーチがマウンドへ行ったタイミングを勘違いしたことによるものだった。野球規則では、監督またはコーチが1度マウンドに行った場合、その時点の打者の打席が完了しないと交代はできない、と定められている(文末参照)。しかし、この回に友利投手コーチが須田の元に行ったのは、中日が代打を告げる前。堂上剛の打席ではマウンドに行っていないことになる。これを東三塁塁審は代打を告げた後と勘違いしたとみられ、前後の混乱から、規則上、何の問題ない継投を認めなかった。

 審判団による確認後、結局交代は認められたが、水を差されたリリーフ陣も打たれ、この回の5失点で逆転負け。審判のミスの影響も否定できない1敗だけに、中畑監督も納得できず。言い訳になるとしながらも、「小林(太)の勢いにかけたけど、勢いを止められた。悔いの残る敗戦になった」と嘆くしかなかった。この敗戦で3位広島とのゲーム差は6に広がった。※野球規則8・06「監督がピッチャーのもとへ行く制限」【注2】監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き上げたら、その投手は、そのときの打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交代になるまで投球した後でなければ退くことはできない。ただし、その打者に代打者が出た場合は、この限りではない。