<西武4-2日本ハム>◇16日◇西武ドーム
キングを独走する西武ブラゼルが狙う獲物は、ストライクゾーンの球だけではない。1点を追う4回。見逃せばボール球、高めの直球を強引に引っ張って右翼席中段まで運んだ。3月26日に来日初アーチを放った験の良い相手、日本ハム吉川から9号同点ソロ。「1打席目のチャンスで打てなかったから、うれしいね」。4番の1発で勢いに乗ったチームは逆転勝ちで首位の座をガッチリと守った。
23戦で9発は、前4番のカブレラらが持つ日本記録(55本)を超えるペース。少し気の早すぎるこの話題を「本塁打に関しての質問はしないでくれ。その話は9月になってからしよう」と一笑に付した。だが、胸の内では自信があるのだろう。カブレラの実績を“靴”に例え「彼が残していった大きな靴を自分が代わりに履ければいい」と言葉に力を込めた。
左投手を苦にしない。厳しい内角攻めにもひるまずアーチを量産する新外国人に対する渡辺監督の評価は高い。現役時代に何度も痛恨の1発を浴びた本塁打王3回のブライアント(近鉄)を引き合いに出し「ブライアントみたいに逆方向へ押し込んで打てるようになればもっと本塁打が増えるだろうね」とさらなる進化に期待した。
西武の外国人選手は電車通勤で、ブラゼルも定期券を携えて西武線を乗り継いでやって来る。この日はTシャツにジーパン、スターバックスのコーヒーを手に電車に揺られてきた。一見、フラリと野球を見に来た外国人観光客のようだが、この姿にだまされたら相手投手は痛い目に遭う。ユニホームに着替えた“電車男”は別人に変身する。【広瀬雷太】



