<ヤクルト2-6阪神>◇18日◇神宮

 阪神安藤が毎回走者を出しながら、6回1失点と粘って3勝目を挙げた。3勝はリーグトップタイで、4人中、ヤクルト石川を除けば安藤、下柳、アッチソンと阪神勢がずらりと並ぶ。さらに防御率トップ6人中、なんと4人が阪神勢。ここまでチームは14勝しているが、先発勝利は13。これって投手王国では…。

 朝から雨が間断なく降っていた。外を眺めれば、いつも景色はかすんでいた。降雨中止の可能性があった1日。先発が決まっていた安藤は、それでも気の緩みはまったくなかった。普段より多めにバッグへと忍ばせたアンダーウエアが、大黒柱の自覚を物語る。

 「毎回着替えたよ。めっちゃ持ってきてたからね。(スパイクは)1度も変えなかった。5、6回はグチョグチョだったけどね」

 横殴りの雨のなか、マウンドにのぼる。ヤクルト先発リオスとの我慢比べ。序盤から苦しい投球だった。2回には2死満塁のピンチを迎える。リオスの打球は三遊間へ。抜ければ逆転打になるゴロを関本が好捕。間一髪の危機を、味方の美技で切り抜けた。決して本調子ではない。だからこそ、慎重に投げた。

 「今日はゴロを打たせてもどうなるか難しい状況だった。それでも、基本は低めです。低め低めを意識してね。調子が悪いなりに、意識している。矢野さんもかなり困ったと思います」

 1点リードで迎えた4回には2死一塁から、福川に左中間への適時二塁打を浴びて同点に追いつかれた。だが、この日は打線の援護に救われる。直後に3点の勝ち越し。意気に感じた。6回には2死二塁の場面で福川と再戦。今度はカウント2-2から、フォークで二ゴロに抑えた。毎回走者を出しながら、粘りの投球を見せた。悪天候のなか、6回1失点。今季3勝目を挙げた。支柱の働きに岡田監督も胸をなでおろす。

 「この間は完投して白星がつかなかったからな。打つほうが頑張れというところからスタートしていた」

 前回登板の11日横浜戦は8回を完投しながら、黒星を喫していた。この日は打線が奮起し、恩返し。苦難の末につかんだ1勝は、投打の歯車がかみ合っている証拠だ。試練にも動じない右腕が、エースへの階段を駆け上がる。【酒井俊作】