<中日2-1横浜>◇1日◇ナゴヤドーム

 ウッズは全力で一塁まで走った。両手に確かな手応えは残ったが、打球が高く上がらずオーバーフェンスの確信がなかった。ラインドライブがギリギリで左翼フェンスを越えるのを視界の端にとらえ、一塁ベース手前でスピードを緩めた。6回、横浜那須野から放った先制の4号ソロは、4月13日広島戦(広島)以来、実に14試合、62打席ぶりのアーチ。「久しぶりのホームラン。気分いいね」と胸をなで下ろした。

 本塁打王3回の実績がかすんでいた。打席ごとに手袋を替えてゲンをかつぎ、同時に打撃感覚を微妙に調整したが一発が出ない。50本塁打を目指し開幕前に作った50枚の「日めくりカレンダー」も、縁起が悪いからとクローゼットに封印した。それでも第1打席は見逃し三振。4回の第2打席は中前打で出塁したが、1死二塁から森野の遊ゴロで二塁から飛び出し三塁タッチアウト。うっぷんはたまりにたまっていた。

 月が変わり、トンネルも抜けた。「日めくりカレンダーはしばらくそのままにして様子を見るよ。今月はオレの月にしたい。どんどんホームランを打って、カワカミと2人で月刊MVPを狙うよ」と、鼻息は荒かった。【村野

 森】