ソフトバンク松中信彦内野手(34)が「地面の利」を生かす。31日からの巨人2連戦から、福岡ヤフードームのバッターボックスの土がリニューアル。表面は通常の赤土に覆われているが、27~29日にかけて内部に硬質のれんが状の粘土を敷き詰める工事が行われた。従来は土が軟らかく、打者がスパイクで掘って足場を固めると、試合終盤はバッターボックス内で左右の足で微妙に高低差が生じていた。選手会を通じて改良を要望していた松中は「試合の後半になると土が掘られてしまう。これだと(投手に向けて目線が)上を向かないし平行で打てる」とメリットを説明した。

 シーズン当初から打席の改良工事を求める声が一部で上がり、一塁側打撃ルームでのテストを経て、今回の施工に踏み切った。06年11月8日に同球場で行われた日米野球で「メジャー仕様」として使用された硬質粘土。この日の全体練習ではコーチ陣がボールを投げつけ、硬さや弾みを確認した。

 安定した「足元」を手に入れた松中はこの日の打撃練習でスタンドインを連発し「地に足がついて打てる」と手応えは十分だった。過去3年間、交流戦巨人戦の対戦打率は4割4分6厘、現在のスタメンでただ1人記録している本塁打は5本を数える。「過去は過去。頑張ります」とデータには無関心だが、先発で唯一無安打に終わった前日(29日)の横浜戦を自ら持ち出し「昨日は1人、蚊帳の外だった」と巻き返しに意欲を燃やした。

 10年連続2ケタ本塁打を継続する主砲に対し、王監督は「その年数はすごい。元気な証拠、技術のある証拠。これからは松中の季節だから」と期待を寄せる。チームは3年ぶりとなる2戦連続3本塁打で連勝し、勝率5割に戻したばかり。「打線は調子が上がっている」と王監督。昨年4連敗を食らった巨人戦だが「新装打席」から松中がアーチ攻勢を仕掛ける。【押谷謙爾】