全部、大事!
腰痛からの回復を目指す阪神新井貴浩内野手(31)が24日、早期復帰への熱いメッセージを発した。チームが完全休日だった24日、甲子園室内でトレーニングを敢行した。25日の中日戦からのスタメン復帰が検討されるなど、予想を上回る回復ぶりもこの気迫があってこそ。一時は辞退の可能性が高まったオールスターや北京五輪日本代表にも全力で乗り込む意気込みだ。
目に力があった。歯切れもよかった。滝のように流れる汗をぬぐいもせず、新井は決意を口にした。30分間のトレーニング後、甲子園室内とクラブハウスを結ぶ通路内で足を止めた。風の通らない一角は、復帰に燃える男の熱気も加わり、体感気温が40度に達した。
新井「いろいろ言われていますが、オリンピックもオールスターもペナントレースも、ぼくにとっては全部大事なんです。どれかを優先するとかではない。だから今は1日でも早くペナントに戻りたい。そのために日々やっています」。
9連戦を終えたチームは完全休養日。だが15日ヤクルト戦(倉敷)を最後に、8日連続して欠場した新井はオフを返上した。常川チーフ、権田の両トレーナーとともに、炎熱の室内で体を動かした。23日に打撃投手の投球を打ち返したバットスイングこそ控えたが、ユニホーム姿が本格的にトレーニングした証拠。クラブハウスで入念な治療も施し、近づいてきた戦列復帰のゴールを見据えた。
新井が公の場でメッセージを発したのは17日、北京五輪の日本代表入りが正式に決まった会見以来だ。「こういう状態にもかかわらず選んでいただいたからには何が何でもやってやるという気持ち」とし「1日、1時間、1分でもむだにせずに全力を尽くしたい」と言い切った。誓いを守り、ここまで多くを語らずに回復を図ってきた。
球団は万が一の事態に備えて、球宴を辞退した際の扱い(野球協約86条、後半戦10試合の登録抹消)を連盟に問い合わせた。依然、最終見解が示されていない難しい問題だが、当該者の新井の軸は「全部大事」とブレはない。
五輪だけでなく、オールスター、マジックが点灯した公式戦とすべての舞台に立つことを自らに言い聞かせてきた。鉄の意志が回復を早め、球宴前の公式戦復帰に見通しが立った。
岡田監督は前日「新井もゲームにいけるかも知れん。守備は問題ないやろ」と回復ぶりに目を細めた。新井自身は「あした(25日)いけるかどうか、今は分からない。その日その日なので。練習して、朝起きて状態がどうかが日々違うので」と慎重な構えは崩さなかった。それでも、抱えた回復の兆しは実感している。「一番悪いときに比べたら(腰は)確実によくなっています。倉敷のころよりいいのは確かです」と明かした。早ければ25日、甲子園のスコアボードに「新井」の名前が帰ってくる。



