楽天野村克也監督(73)が、中日からFA宣言し、獲得を目指す中村紀に“ノムラ節”でラブコールだ。

 20日、Kスタ宮城での秋季練習中に報道陣から中村紀が「僕も月見草」と話していたことを聞き「あいつは枯れたヒマワリだよ」と独特の言い回しで評価した。ヒマワリは野村監督にとって、ONをはじめとするスター選手の代名詞。来季36歳を迎える中村紀の年齢から「枯れた」と表現はしたが、能力の高さを認める言葉に違いはない。攻守に実績十分のベテランに「ノムラの考え」を注入し、もうひと花咲かせるつもりだ。「あいつは体を開きながら右に打つことができる。落合みたいだな」と、打撃技術にも高評価を与えている。チームには元近鉄の選手も多く「土壌があるから、うちが一番やりやすいだろう。おれは南海から移籍した後、知り合いがいなくて寂しかったからな」と早くも歓迎ムードだ。

 球団も交渉解禁初日から動いた。朝一番で連絡を入れると、25日に東京で米田球団代表、三村編成部長が出席しての初交渉が決定。他の選手とのバランスも考え2年契約で総額2億をベースに、最長3年も視野に入れた交渉が行われるもようだ。この日、米田代表は「彼も3年たてば38歳。(山崎)武司のように頑張ってくれれば、再契約もある」と活躍に期待をかけた。通算363発の長打力に、ゴールデングラブ賞7回の守備力。チームが求める条件がそろった中村紀獲得に、また1歩前進した。【小松正明】