“新鮮力”み~つけた!
阪神真弓明信監督(55)が19日にスタートした1、2軍合同の高知・安芸キャンプで、3年目の大城祐二外野手(23)に目をつけた。外野特守に抜てきされた大城の動きに鋭い視線を送り、50メートル5秒7の俊足にビックリ。求めている足のスペシャリストの存在に、思わずホオを緩ませた。改めて若虎たちの潜在能力に期待し、今後も第2、第3の大城を発掘していく。
雨が降り落ちるメーングラウンド。肌寒い気温の中、3人の若虎が外野特守に励んでいた。立石2軍守備走塁コーチ、山脇守備走塁コーチが交互にノックを打ち上げる。ノッカーの背後から目を光らせていた指揮官は、色黒で小柄な男に目を奪われた。右に左に前に後ろに。自慢の俊足をかっ飛ばす。「大城って足が速いね」。指揮官は思わず立石コーチに声をかけた。
この日から安芸で1、2軍合同キャンプがスタート。足、守備、強肩、なんでもいい。1軍に引き上げられるスペシャリストを探していた。そんな指揮官のお眼鏡に、さっそくかなったのが大城だった。「コーチに上(メーングラウンド)でやると言われて、監督に見てもらえると機会が増えると思った」。必死でアピールを狙う男が、強い存在感を放った。
そのプレースタイルは他球団の007をもうならせた。中日佐藤スコアラーは自ら大城の名前をあげ「バッティングはコンパクトで内外野を守れる。足も速い」。指揮官から注目を浴びると同時に、早くもライバル球団の要注意人物リストに入った。
大城は06年オフに大学・社会人ドラフト5巡目で入団し、これまで目立った成績をあげていない。1年目の07年5月に右太もも裏、同7月には右手首を痛めた。昨季も4月に左わき腹肉離れで戦線離脱するなど、ケガに泣かされ続けてきた。今季も2軍キャンプスタートで第2クール初日に古傷の右太もも裏に違和感を感じた。「ケガをして後れを取り戻せるように。今は万全なんで」。別メニュー調整から全体練習に合流したばかりだった。
もっとも、172センチながら身体能力は高い。50メートル走は5秒7。入団時はスイッチヒッターだったが、俊足を生かすため昨夏から左打ちに専念した。大城自身も「足は持ち味というか長所。見せられるところは見せていきたい」。外野に加え、二塁も守れるマルチプレーヤーで強肩も魅力だ。今月13日には古巣・TDK千曲川硬式野球部の廃部が発表され「3年間いたんでいっぱい思い出がある。とにかく残念です」と話していた。古巣のためにもブレークを期す、やる気にあふれた隠れた逸材なのだ。
ただ、指揮官はこれだけでは満足しない。大城に続く新発見はまだあるはず…。「1軍とやれることは2軍選手にとって大きい。紅白戦を見て判断していきたい。どういうアピールをしてくれるか楽しみ」。この日は大城、柴田、上本の2軍選手3人が特守に抜てきされた。「明日は違うメンバーになっているかもね」。若虎よ、出てこい!
真弓監督の顔は、期待感に満ちていた。【佐井陽介】
[2009年2月20日11時3分
紙面から]ソーシャルブックマーク



