ヤクルトが、開幕戦の相手となる阪神から“先制パンチ”を食らった。神宮球場から最寄り駅(東京メトロ「外苑前」)へとつながる徒歩約2分の場所に「タイガースオフィシャルショップ」が、この時期に同時に2店舗オープンしたのだ。

 ビジターゲームはわずか12試合ながら、本拠地へ目と鼻の先に出店された球団関係者もあぜん。「うちにも案はあったが、先を越された。グッズショップにはフランチャイズ権がなく、ルール上、残念ながら問題ないらしいので…」と、苦しい胸の内を明かした。

 一方、東京限定グッズなども用意している、同店の万代所長は「神宮での試合は3分の2が阪神ファン。球場内のショップだけでは対応しきれない部分があった」と力説。とはいえ敵地のおひざ元とあって、「他球団のグッズを置くのは初めて」と、ヤクルトグッズも商品棚に並べられた。

 応援の行き帰りに必ずヤクルトファンの目に留まる場所にあり、球団関係者は「ファンの方々には申し訳ない気持ちがあります」と肩を落とす。地元商店街は「野球はヤクルトを応援するけど、町の活性化のためには出店はありがたい」と賛同したといい、シーズン開幕を前に“猛虎襲来”を許し、前哨戦では完敗を喫した形となった。

 [2009年3月31日9時16分

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