<横浜4-2阪神>◇19日◇横浜

 「ハマの安打製造器」が開幕から15試合目にして、やっと目を覚ました。1-1で迎えた5回2死。横浜内川聖一内野手(26)のバットから今季1号本塁打が飛びだした。「初めて力が入って振れた」。昨年、右打者の最高打率を残した男が、初めて自分の一打に納得した。

 初のお立ち台でも言葉が弾んだ。「みんなでメシでも食いに行きたいですね。焼き肉!」。決勝の1点をたたき出し、これでマルチ安打は4試合連続だ。3回の打席では甘いカーブを打ち損じて中飛に。5回は初球に来たそのカーブを左中間スタンドに運んだ。「力みがなくなって、冷静に考えられるようになってきました」と話した。

 WBCにそろって参加した村田が右太ももの肉離れで戦線を離脱。その分、1人で頑張ろうとして、本来の打撃を見失っていた。そんな内川を先週の選手ミーティングが解放した。「佐伯さんがみんなで頑張ろうといってくれた。あれで肩の荷がおりた」。村田に激励の電話を入れた際には、逆に「1人で頑張りすぎるな」と励まされてもいた。

 打率3割2分2厘。本塁打1。「(本塁打)0のが寂しかったんです。よかった」。あとは得点圏打率だ。昨年の4割4分9厘が、1割4分3厘しかない。内川も十分自覚している。「得点圏ではまだ過剰意識がある。それがとれたら本物です」と言い切った。【米谷輝昭】

 [2009年4月20日8時50分

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