<横浜2-0阪神>◇8日◇横浜

 「ハマの番長」が雨空に向けて両手を突き上げた。横浜三浦大輔投手(35)が9回2死一塁、最後の打者関本の二ゴロを見届けた直後だ。被安打2本、二塁を踏ませることもなかった。今季初完封。通算では球団4人目となる20度目の完封勝利だ。「いつだって点はやらないつもり。たまたまできたけど、しんどいですよ。今日はうまくタイミングを外すことができました」と話した。

 9回2死、あと1人となって、赤星に初めての四球を与えた。捕手の細山田が間をとろうとマウンドに駆け寄った。「低めに行きましょう。クイックお願いします」。先月24日のヤクルト戦では同じように「あと1人」から連続四球を与えて降板した。その反省も踏まえ、集中力を切らすことはなかった。「細山田がスライダー、カットをうまくバラしてくれた。それが大きかった」。ルーキー捕手に素直に感謝した。

 エースが投げると前年首位打者の内川が打つ。三浦はこれで3連勝だが、その試合すべてにソロ本塁打を放っている。三浦が「昨日親子丼を食わしておいてよかったです」といえば、内川は「もっと高いものをおごってもらわないと」。お立ち台でエースと主砲が地元ファンを喜ばせた。

 これで4勝目。被打率はわずか1割4分7厘で、これはリーグトップだ。前夜新ストッパー山口が打ち込まれたが、その悪い流れを断ち切り、休養を与える初完封でもあった。「いやーブルペンでは(肩を)つくっていたでしょう。持ちつ持たれつですから」。通算で128勝、阪神からは38勝目、虎キラーは今年も健在だ。【米谷輝昭】

 [2009年5月9日7時50分

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