<横浜9-5ヤクルト>◇1日◇甲府

 28年目のベテランが通算24球場目の勝利を手にした。横浜工藤公康投手(46)が、1日のヤクルト戦に中継ぎ4番手で登板し今季2勝目、通算224勝目を挙げた。1点ビハインドの6回2死三塁。「投手工藤」がコールされると、満員に膨れ上がった甲府市小瀬球場が大歓声に包まれた。

 工藤

 こういう地方での声援は力になりますよね。普段プロ野球が見られないファンの声だから。何とか抑えてやろうと思った。

 打ち合いの展開にケリをつける場面。田代監督代行はスイッチヒッターのヤクルト福地に「右打席で打たせたかった」と左腕工藤のクロスファイアにかけた。定石通りに内角への140キロ直球を続けて追い込むと、最後は外角シンカーで遊ゴロに仕留めた。その裏に藤田の2ランで逆転。打者1人、こん身の4球で自身が持つセ・リーグ最年長の勝利投手記録(46歳57日)を更新した。

 大好きな夏は工藤の追い風になりそうだ。「暑くなると体が冷めない。この季節は私生活から冷房で体を冷やさないように心掛けている。汗を自然な状態で流すようにしている」。6月27日の阪神戦では2本塁打を浴びる屈辱を味わった。

 工藤

 まだまだリベンジの『リ』の字も成し遂げていない。自分の勝ち星は別にしてチームに貢献したい。横浜はこのままでは終わらない。

 田代監督代行も「今日の工藤のボールは切れていた」と、ブルペンの層の厚さに目を細めた。2位ヤクルトに5連勝。リーグ戦再開後は3勝2敗。白星が1つ先行した勢いを大事にしたい。【山内崇章】

 [2009年7月2日8時14分

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