プロ野球界をインフルエンザが襲った。パ・リーグ首位を快走する日本ハムは18日、首脳陣、主力選手がインフルエンザに集団感染した。16日に大野奨太捕手(22)の感染が判明してから感染者が続出。この日楽天戦(旭川)前、ターメル・スレッジ外野手(32)宮西尚生投手(24)金森敬之投手(24)の3選手に福良淳一ヘッド兼打撃コーチ(49)の感染が分かった。5人はいずれもA型で、球団は5人とも新型であるとの見解を示した。感染拡大の影響で戦力ダウンし、楽天戦は3-6で完敗。21日からソフトバンクと首位攻防3連戦(福岡ヤフードーム)を控える中で、思わぬピンチに陥った。

 異常な光景だった。日本ハムナインは楽天戦後、マスク姿で球場を後にした。優勝へ独走態勢を築き、優勝マジック点灯目前にしたところで、不測の事態が襲った。試合前、スレッジ、宮西、福良コーチがのどの痛みを訴え、練習を切り上げて北海道・旭川市内の病院に直行。簡易検査を受けた結果、A型インフルエンザと診断された。

 また具合が悪く遠征先から急きょ札幌へ戻っていた金森も、同市内の病院で検査し感染が分かった。試合後、のどが痛いなど兆候がある選手、スタッフら約20人が旭川市内の病院で検査を受け、感染の4人以外は陰性と診断された。すでに感染が確認されている大野捕手を含め、計5人の集団感染となった。

 旭川から札幌へ検体を移送し詳しく調べた結果、判明したのが新型のA型インフルエンザ。スレッジ、宮西、福良コーチの3検体のうちの2検体を検査し、ともに新型であることが確定。この事実から、金森、大野も含め、球団は5人が新型の集団感染であるとの見解を示し、この事態を深刻に受け止めた。藤井球団社長は球場で緊急会見し「試合の延期や中止は考えていないが、選手と接触があるサイン会などのイベントは当面自粛したい。ファンのみなさまに応援をしてもらっている時期なのに申し訳ない」と頭を下げた。

 対策としては基本事項のうがい、手洗いの励行を義務付けた。またファンと選手との接触を遮断する方針で、19日の楽天戦(旭川)は予定通りに開催するが、球場すべての入場ゲートに消毒薬を設置する。

 新たな感染者が出る可能性もあるだけに、球団は慎重に対応する。金森は大野が療養中の札幌市内の合宿所に隔離し、ほか3人は旭川市内の宿舎で静養。今後、札幌市内の合宿所を一時閉鎖。居住している約30人を札幌市内のホテルへ移住させる措置を決めた。予防薬の服用なども視野に入れ、当面は慎重に事態の推移を見守るが、島田チーム統括本部長は「潜伏期間が1週間ほどあるらしいので、予断を許さない状況」と感染の拡大を懸念した。

 試合はチームトップの16本塁打を放っている主軸のスレッジが離脱し、5番に糸井を据えるなど打線を組み替えたが、つながりを欠き、楽天岩隈から3点を奪うのが精いっぱい。戦力ダウンで完敗を喫し、連勝は4でストップした。ソフトバンクとの首位攻防3連戦を控える直前カードの初戦を落とした。梨田監督は試合後、「オレは大丈夫。オレが全部、引き受けたいくらい」と厳しい表情だった。順風満帆だったVロードに、突然の逆風が吹いた。

 [2009年8月19日8時48分

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