<ヤクルト9-5中日>◇31日◇神宮

 このままじゃ、だめだ!

 中日落合博満監督(56)が早くもチームのテコ入れに乗り出した。先発小笠原が4回8失点でKOされて苦手ヤクルトに連敗。開幕5戦目で借金を背負った。指揮官は8回、開幕から3失策の二塁セサルを外野に戻し、同じく失策のあった藤井を交代させた。1日の第3戦以降へ向けて「手は打つ」と宣言。オレ竜らしさを取り戻すため、守備陣の再編成に動く。

 5-9と大量リードされた8回裏、落合監督が動いた。開幕から二塁を守るセサルを初めて中堅へ戻し、右翼藤井に代わって遊撃に岩崎達を入れた。そして、遊撃井端を二塁へ戻した。敗色濃厚の試合で守備要員の投入。明らかに「次」を見据えた起用だった。

 「オープン戦で一番安定していた投手がな。やはり公式戦との違いというのはあるよ。相手との状態の差?

 勝ち負けを争っているんだ。勝てばそう見える」。

 昨季11勝13敗と巨人に次いで負け越した苦手ヤクルトに連敗した。先発小笠原が4回8失点でKOされた時点で勝負の行方はほぼ決していた。ただ、試合後の落合監督は小笠原ではなく、勝敗でもなく、より重要なポイントを指摘した。

 「手は打つよ。このままの野球をやるということはあり得ない。負け試合はどうやって負けているかわかっているわけだから。守備位置?

 さあ、それは明日になってみないとわからない」。詳細は明かさなかったが、にやりと笑ってテコ入れを宣言した。それが8回の守備位置に関係していることは明らかだった。

 初回1死から田中の左中間への二塁打を中堅藤井がジャッグルして三塁へ進まれた。7回1死一塁では二塁セサルが宮本のゴロをはじいてピンチを広げた。2つの失策はともに失点に結びついた。開幕直前に遊撃手荒木が左足を痛めたことで中堅のセサルが二塁へまわらざるを得なかった。だが慣れない人工芝に苦しむ助っ人は早くも3失策。「守りの野球」を掲げる落合監督にとっても我慢の限界だったようだ。

 指揮官から遅れること数分、ベンチを出てきた辻総合コーチも声に怒気を含んでいた。「守備位置?

 もちろん、予行演習だよ。あんなプレーしていたら勝てない。長い試合を戦うわけだから、守備をしっかりしなければ」。5試合を終えた時点でリーグトップの7失策。オレ竜が早くも最初の分岐点を迎えた。【鈴木忠平】

 [2010年4月1日10時47分

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