<阪神5-4巨人>◇6日◇甲子園

 アニキのメモリアル本塁打が今季初の伝統の一戦に決着をつけた。阪神の金本知憲外野手(42)が巨人戦(甲子園)の6回1死一塁、右中間へ勝ち越しの2号2ランを放った。珍しく拳を握り締める決勝の“ヨッシャ”アーチは長嶋茂雄(巨人)に並ぶ通算444号で、史上2人目の2球団での200号だった。負ければ4連敗で今季初めて借金生活に突入していたが、頼れる4番の一振りがチームを救った。

 伝統の一戦で宿敵をたたき、ミスタージャイアンツに肩を並べた。右肩痛を抱えながら連続フルイニング出場を1483試合に延ばした金本が、長嶋に並ぶ通算444号本塁打。「ホント、恐縮というか、まさか長嶋さんと並んでるなんて、ちょっと考えられない」と興奮しながら言った。

 同点に追いつかれた直後の6回1死一塁。カウント2-1と追い込まれたが、肩口から入ってきたスライダーをたたいた。打球は阪神ファンの大声援にも乗って、右中間席最前列に飛び込んだ。3月31日の広島戦(マツダ)以来となる決勝2号2ラン。3日に42歳になって初の本塁打は阪神での通算200号で、チームの連敗を3で止める価値ある1発となった。「(今年)初の甲子園で、しかも相手が巨人。2倍、3倍うれしいですね。2ストライクに追い込まれて、何とか甘い球きてくれと思っていた。本塁打になってよかった」と笑顔がはじけた。

 一塁ベースを回った際には両拳を強く握りしめ、小さくガッツポーズをした。普段はグラウンドで感情を表に出さない男が、珍しく見せた熱い一面。「どうしても勝ちたいという気持ちが自然と出ました。ガッツポーズじゃないよ。ヨッシャや」と照れ隠し。巨人に敗れて借金生活に突入するわけにはいかないという執念がこもっていた。

 この日の試合前練習。金本の調整には明らかな「変化」があった。開幕2カード目から続いた広島、中日との遠征中。金本は打撃練習で普段使用しているマスコットバットを握らず、試合用のバットで打撃練習に励んだ。“安静”に努めた1週間のおかげで、右肩は少し回復。この日の練習では1キロのマスコットバットを握り、フルスイングで快音を連発していた。

 和田打撃コーチも「(金本の右肩は)日増しによくなってきている。それだけじゃないかもだが(全力でバットを)振れるくらいになってきた」と復調気味であることを感じ取っている様子だった。

 一時は洋服に袖を通す時でさえ、右肩には痛みが走っていた。そんな極限状態の中でも戦い続け、ここ一番で結果を出す。その積み重ねが鉄人の礎となっている。「できれば445本目も巨人戦で打てればいいと思う。まだまだ始まったばかり。何とか巨人を倒して波に乗っていきたい」。最後に“予告ホームラン”も飛び出した。【石田泰隆】

 [2010年4月7日8時7分

 紙面から]ソーシャルブックマーク