阪神真弓明信監督(56)が23日、送球難を抱える桜井広大外野手(26)に異例の守備特訓を施した。雨天中止が決まると、甲子園室内練習場でマンツーマン指導だ。

 「自分も若いころ、(送球の)イップスにかかったことがある。でもキャッチボールを繰り返しやって、自分で直すしかないんだ」

 まずは身ぶり手ぶりで送球の模範演技。続いて至近距離からボールをトスし、素手でキャッチした桜井がそのままの体勢からカットマンに返す練習を繰り返した。この間約20分。桜井にこれほど長い時間守備を指導したのは初めてで、打撃など他の練習はチラ見だけ。桜井も「ステップを踏んで、ボールの持ち替えなしで素早く投げられるようにです」と玉の汗を流した。

 先日の新井など、自ら守備指導に乗り出す機会が増えた。「守り勝ちたい」と挑んだ交流戦は2勝6敗。守り勝つどころか、守りの乱れからの敗戦が目立っている。投手陣の台所事情が苦しい中、無駄な失点は防がなくてはいけない。

 桜井は守りのミスもあって打撃が下降。先発も外れるなど、監督も「最近元気がない」と心配していた。復活の近道は守備の不安を取り除くことでもあった。

 連敗中だけに恵みの雨。監督も「(気分は)切り替えるよ、いつでも」と前を向いた。仕切り直しの甲子園で守り勝ち、再進撃に弾みをつける。

 [2010年5月24日10時33分

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