<オリックス4-11ヤクルト>◇29日◇京セラドーム大阪

 ヤクルトが、ついに勝った。交流戦開幕から9連敗中で、負ければ73年5月以来37年ぶりの10連敗だったが、オーダーを組み替えた打線が16安打と爆発。大勝で連敗を脱出した。6連敗中だった先発石川雅規投手(30)も6回3失点の粘投で自身の今季初白星に結び付けた。高田前監督から指揮を引き継いだ小川淳司監督代行(52)は、2戦目にしてうれしい初勝利となった。

 「痛い、痛い」。選手の勝利のハイタッチにも自然と力が入る。10連敗を阻止し、交流戦初白星。長いトンネルから脱出だ。小川監督代行は「とりあえず、1つ勝ってホッとしてます」と目尻を下げた。

 打線の組み替えが的中した。1番に青木。代わりの3番に、チーム2位の出塁率(3割5分7厘)を誇る左の大砲ガイエルを今季初めて置いた。「3番に持ってくるのは、左投手が来ても代打を送らなくていい打撃を持っているガイエルだと思った」(小川監督代行)。6回、そのガイエルが左腕菊地原から同点ソロを放ち、猛攻撃が始まった。1死二塁から宮本の左前適時打で1点を勝ち越すと、7番に上げた好調の相川が左越え適時三塁打、さらに藤本も続き、この回一挙4点で5-2と逆転に成功。7回にも3本の適時打で4点、8回にも2点を追加した。

 今季最多タイの16安打、4月3日横浜戦以来、およそ2カ月ぶりとなる2ケタ得点のお祭り騒ぎで、チームの沈みきっていたムードを吹き飛ばした。

 小川監督代行は「監督」として、うれしい初白星だ。指導者の原点はノムさんだった。習志野高(千葉)では優勝投手に輝き、中大、河合楽器を経てプロ入りしたが「それまではセンスだけで野球をやっていた」という。ヤクルトでの現役時代、代打で凡打に倒れた際、当時の野村監督から「ヤマ張ったことがあんのか!」と怒鳴られた。それを機にデータや傾向を重視する「ID野球」を勉強し、現役を退いて93年からスカウトに転身してからも探求は続いた。この日も冷静な分析から生んだ新オーダーの打線が爆発し、勝利につながった。

 それでも2ケタ借金で最下位という状況は変わらない。「とりあえず今日は勝ったけど、明日はまた気持ちを切り替えて臨みたい」。小川ヤクルトの反撃が始まる。【由本裕貴】

 [2010年5月30日8時53分

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