<阪神3-3ソフトバンク>◇7日◇甲子園
あぁ~、不運や。打ち取ってるのに…。1点リードの8回、阪神先発のジェイソン・スタンリッジ投手(31)が無死二塁としたピンチを背負って守護神阪神藤川球児投手(29)がマウンドへ。だが、この夜は逃げ切れなかった。2死三塁、ソフトバンク長谷川に強襲安打を許し、同点とされた。結局、3-3で今季初の延長ドロー。序盤のチャンスを生かしていれば…。今季最長4時間11分の激闘。悔しさは残るが、球児は「仕方ない」と気持ちを切り替えた。そう、こんな夜もある-。
ベストを尽くして及ばないこともある。藤川は、1点リードの8回2死三塁で長谷川を迎えた。カウント1-1からの3球目。153キロの内角直球をコンパクトに打ち返された。股間(こかん)を抜くような打球に必死で体を沈めてグラブで出した。前方にはじいた打球を素早く立ち上がって追う。ボールを拾った鼻先を、三塁走者の代走城所が走り抜けた。一塁も間に合わない。同点。甲子園の夜空を見上げて声を上げた。
藤川
しゃあない。(打球はバットの)シンだと思う。跳ね方があれだった。しゃあない。
フィールディングに定評がある藤川が体を「壁」にする懸命のプレーでも及ばなかった。城島も「球児(藤川)のフィールディングで弾いたらしょうがない。球児で追いつかれたらしょうがない」と口にした。
執念の「ダイレクト球児」だった。先発スタンリッジが1点差の8回、先頭オーティズに二塁打を浴びた。真弓監督は「(得点圏の)セカンドまでいったから何とか逃げ切りたかった」と守護神起用を選択。2死三塁までこぎつけたが、無念の同点打となった。この日で藤川が1イニングより長く投げるのは23試合中7試合目。城島も「執念じゃないけど、監督とかベンチの球児で逃げ切るんだという気持ちは感じた」。ただ通常は1回限定のクローザーがイニングをまたぐのは、セットアッパーを固定できない苦境の証明でもある。
同点は許しても、守護神の誇りをかけて踏みとどまった。藤川は9回も続投。1死から川崎に中前打を浴びたが、本多、城所を連続三振に仕留めた。この日は2回を投げて打者9人に被安打3。それでもアウト6個中5個が三振。今季最多の37球を投げ終えて「全然ショックじゃない。こんな時もある」と振り返った。
阪神で今季最長4時間11分の死闘を終えて、初めての延長12回引き分けとなった。城島は「こういう試合もある。球児で追いつかれて嫌な流れの中で追い越されなかった。落とすと引き分けでは大違い。この2連戦は1勝1分けでしょ」。4度目の正直となった交流戦の勝率5割復帰はこの日も失敗に終わった。ただ負けなかった粘りが9日西武戦での再チャレンジにつながった。【益田一弘】
[2010年6月8日11時16分
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