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米子に神降臨!延長11回桧山V弾

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米子のファンの歓声に手を上げて応える桧山(撮影・上田博志)
米子のファンの歓声に手を上げて応える桧山(撮影・上田博志)

<広島7-13阪神>◇22日◇米子

 ロスタイムに6点!? ダメ押しは何点あってもいいんです! 延長戦にもつれた米子の広島戦。阪神打線が爆発したのは、11回表だった。2死一、二塁で桧山進次郎外野手(40)が「代打の神様」の本領を発揮。出雲の神様や勝利の女神もほほ笑む決勝2点二塁打を放った。さらに満塁と攻めてマット・マートン外野手(28)がこれでもかと9号満塁弾。きつ過ぎるダメ押しの6得点で、長かったクロスゲームが最後だけワンサイドに変わった。

 山陰の夜空に弾丸ライナーが伸びた。4時間19分の死闘に終止符を打ったのは、桧山の一撃だった。延長11回、2死一、二塁での代打。梅津の139キロ真っすぐをしばき上げ、右中間を真っ二つに破った。2者生還。ついに、ついに勝ち越しだ。値千金の2点二塁打。大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祭り、全国の神様が集まるとされる出雲大社にほど近い米子に虎の代打神が降臨した。

 「みんなが一生懸命つくってくれたチャンスで、たまたま最後に回ってきただけでしょう。その前にセキも絶体絶命の所で打ってくれたし今日はセキですよ」

 神様は奥ゆかしかった。“桧山的”にはヒーローは2点負けていた8回2死で同点三塁打を放った代打関本。だが11回、同じ2死で桧山が凡打していれば、虎の勝ちはなかったかもしれない。遠井吾郎の持っていた球団代打最多安打を抜き去った今、更新した自己記録は111本目。勝つと負けるとでは天国と地獄のシーソーゲームは最後、桧山フィーバーで燃えた。

 代打稼業も不惑を過ぎ、あと8日で41歳になる。だが今でも失敗すれば、惑って眠れない夜を明かすこともあるという。「ああ、こうしとけば良かったってね」。そんな5月、親友のボクサー名城信男(28=六島)が、WBA世界スーパーフライ級王者から陥落。そこから再びはい上がろうとする姿に心を震わされたという。「僕らは失敗を次の日でも取り返せるけど、名城は次の試合まで何カ月も待たないといけない。もっと厳しいんですよね」。

 この2年間、出番は代打か交流戦のDHだけ。もう守備に就くことはほぼなくなった。だが練習では毎日、グラブを手に外野ノックを受け、大粒の汗を流している。それは今なお「スタメンで出たい」と願う向上心だった。「今日も何回か準備してたし、体自体はいつでもいけるようにしてました」。いざ試合が始まれば、戦況を見ながら何度もベンチ裏の素振り場所を往復。鳴り物応援が終わった午後10時過ぎの出番で、最高の結果を出せたのは、プロ魂に尽きる。今季の代打率は2割9分となった。

 「こういう試合を勝つと乗っていく。どんどんこれからも勝っていきたい」

 あの金本も代打の心得を求める神様の大号令が、再びナインを一つにする。首位巨人追撃へ、大きな1勝をつかんだ。一気の広島連倒へ、神様は今日も降臨準備を整える。【松井清員】

 [2010年6月23日11時15分 紙面から]


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キーワード:

桧山進次郎

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