阪神マット・マートン外野手(28)が5日、プロ野球「マツダオールスターゲーム2010」(第1戦=7月23日・福岡ヤフードーム、第2戦=同24日・ハードオフ新潟)の監督推薦選手に選ばれた。来日1年目の阪神外国人野手では、60年のマイク・ソロムコ以来の選出となった。監督推薦22人(セ13人、パ9人)が決まり、ファン投票と選手間投票を含めたセ、パ各28選手が決定。セは巨人原監督、パは日本ハム梨田監督が指揮を執る。60回目の開催を記念した特別枠の「最後の1人」は、14日に発表される。

 バースもフィルダーも届かなかった、半世紀ぶりの快挙。来日1年目の阪神外国人野手に限れば、60年ソロムコ以来の球宴出場だ。マートンは柔和な笑顔で喜びを口にした。歴史を塗り替えたという事実より、単純に選んでもらった、そして“お祭り舞台”に上がれるのがうれしかった。

 マートン

 第1に、感謝したい。とても光栄で興奮しているよ。球宴は特別で、見せるもの。ベースボールを楽しみたい。その瞬間、瞬間を楽しみたいね。

 猛打を誇る虎の主軸としてリーグトップの107安打、2位の打率3割4分3厘を記録している。さらに9本塁打、チームトップの9盗塁と、文句なしの成績。ファン投票で選ばれなかったのが不思議なぐらいだ。相手投手の研究、技術の改良を怠らず、フォア・ザ・チームを貫く。そんな超優良助っ人に、ご褒美が待っていた。

 実は米国では球宴の常連だった。1A、2A、3Aの各段階で球宴に選出され、1A球宴のホームラン競争では優勝した経験もあるという。

 マートン

 1Aのゲームでは(力んで)ゴロをひっかけて、ベンチのみんなに笑われたよ。2Aの時は選ばれた時にちょうどメジャーに昇格して、出場はできなかった。3Aの時は2打数0安打だったね。たぶんその3種類の球宴で5打数1安打か4打数1安打だと思う。大学の時の球宴ではホームランを打ったけど、プロになってからは球宴でホームランはないね。

 となれば、初の球宴弾は日本で!?

 赤毛の助っ人は「メイビー(多分ね)」とニッコリ。ファンを喜ばせるために、普段はまったく興味を示さない1発にも照準を合わせた。

 6日はヤクルト戦(倉敷)。前日4日の巨人戦(東京ドーム)で連続試合安打が「18」でストップし、仕切り直しの1戦だ。球宴初出場を決め、勢いは十分。セ・リーグ指揮官の巨人原監督への感謝は、ハッスルプレーで表現する。

 [2010年7月6日11時24分

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