<中日5-2横浜>◇12日◇ナゴヤドーム

 あっぱれ浅尾!

 中日浅尾拓也投手(25)がプロ野球新記録となる今季56ホールドポイント(HP)をマークした。8回から1イニングを無失点に封じ、07年久保田智之(阪神)を抜いた。自らの連続試合HPのプロ野球記録も24に伸ばした浅尾の力投でチームは横浜に3連勝で引き分けを挟んで4連勝。本拠地ナゴヤドームの連勝は9まで伸びた。2位阪神とのゲーム差は変わらないが、首位をがっちりとキープした。

 ポーカーフェースは最後まで崩れなかった。8回。先頭の内川に右前打を許したがその後は簡単に2アウト。最後は148キロの外角直球で村田を一ゴロに仕留めた。セットアッパー浅尾にとっては守護神岩瀬につなぐいつもの仕事。だが、この日は特別だった。56HP。細身のイケメン右腕が球史にその名前を刻んだ。

 浅尾

 投げているときは記録のことは意識しませんでした。でも新聞とかで知っていたので達成できて良かった。先発陣や野手のみなさんのおかげ。プレッシャーも大きいけど、今年は集中する場所を分かっている。

 メンタル面の成長が投球の安定感につながっている。ピンチを迎えても、マウンドで焦りの色をみせることはない。谷繁が「場数を踏んだからだよ」と言えば、岩瀬も「去年からあそこで投げているからね」とうなずく。周りも認める仕事ぶりが、浅尾の心にも余裕を生んでいる。

 昨年までは、マウンドで投球練習を済ませると、気持ちを落ち着かせるためにマウンド後方でジャンプを繰り返していたが、今年はその姿をほとんど見かけることがなくなった。「ブルペンでやってから、マウンドに上がるようにしているんですよ。落ち着いた状態でマウンドに行ったほうがいいですから」。今年でプロ4年目。数々の修羅場をくぐってきたことで、より冷静な気持ちで打者との対決に挑むための最善策を自然と身につけた。

 努力も惜しまない。試合後には必ず、電気治療器で肩の疲労を取り除き、翌日には持ち越さない。球場を後にするのも投手陣では最後になることが多く、午後11時を回ることもざらだが、登板試合数が多い分、体のケアには人一倍時間を割いている。もちろん遠征先ではトレーナー陣を食事に招待し、労をねぎらうことも忘れない。

 登板試合数は67試合に達した。権藤博が持つ球団の年間最多登板記録、69試合にもあと2試合に迫った。「疲れはない。ホールドが付かない場面でも、負けている場面でもいけと言われればもちろんいく」。今後も厳しい場面での登板が続くことは百も承知。歓喜の瞬間まで腕を振る覚悟だ。【桝井聡】

 [2010年9月13日12時22分

 紙面から]ソーシャルブックマーク