打撃部門でチーム3冠のソフトバンク多村仁志外野手(33)が、クライマックスシリーズへの「肉体改造」に入った。全体練習を終えると約3時間ほど室内で調整。帰り際に「ウエートと治療をやってました。ウエートは少しずつ段階を上げているところ。日によって部位を変えてやっている」。シーズン終盤に封印していた筋力トレを再開したことを明かした。

 CS制覇への思いは誰よりも強い。「昨年は仕方ないことだったので」。振り返ったのは、チームが敗退した楽天とのクライマックスシリーズ。決戦前日の練習で腰を痛め、戦列に立てなかった悔しさは忘れていない。快音を連発するフリー打撃の状態も「まだ何かおかしいんですよ」と言いつつ、それも計算内。「(調子のピークを)今すべてを上げてしまうと、CSで落ちてしまう。CSに照準を合わせている」。悲願の日本一へ、今季は最後までフル稼働する決意だ。

 レギュラーシーズンで打率3割2分4厘、27本塁打、89打点。FA権を保有しており、大リーグ球団もすでに視察済みなど海外市場を含め周囲の注目は高いが、今はグラウンドでの戦いだけに集中している。「去年は(CS敗退後の)10月半ばに自主トレしていたけれど、今年はCSがあるので、まずはそこしか考えていない」。大きな飛躍を遂げた多村が、14日開幕のCSファイナルステージのみを見続けている。

 [2010年10月4日11時39分

 紙面から]ソーシャルブックマーク