楽天の来季補強プラン第1弾が19日、明らかになった。8月に国内移籍が可能となるFA(フリーエージェント)権を取得したオリックス後藤光尊内野手(32)獲得を目指し、本格的な調査を行っている。二遊間はチーム補強の最重点課題で、今季自己最高の成績を残した後藤に白羽の矢を立てた。この日、阪神星野仙一オーナー付シニアディレクター(SD=63)が退団会見を行い、楽天監督就任へ前向きな言葉を述べた。リーグ屈指の強打者獲得に全力を注ぎ、闘将を迎え入れる。

 楽天がFA戦線に積極参戦する。星野監督誕生が秒読み段階に入ったが、並行して来季補強への調査を行っている。いの一番に、最優先でアタックをかけるのは、玄人好みする強打者・後藤だった。

 左のクラッチヒッターとして名をはせている。今季成績は打率2割9分5厘、16本塁打、73打点。キャリア9年目で最高の数字を残した。オリックス打線の3番打者として143試合に出場した。投手の左右を苦にせず、特にストレートの対応力は屈指。パ・リーグのエース格は強い直球を軸球とする本格派が多く、後藤のパンチ力は慣れ親しんだリーグでこそ威力を発揮できる。

 楽天の今季チーム打率は2割6分5厘。先発投手が好投しても援護することができず、接戦を落とす試合が目立った。勝負強い打撃に着目するのは極めて現実的で、理にかなっている。しかも後藤は強打に加え、状況に応じたケースバッティングの技術も高い。打線のつながりに苦労した今季に照らせば、獲得を目指すのは自然といえる。

 二遊間の充実を補強ポイントの最重点に置いている。今季は高須、渡辺、内村らが務めたが不動のレギュラーの地位は確立していない。高須は来季35歳で、渡辺は31歳。俊足の内村は、シーズン終盤に外野手としての潜在能力も示した。後藤の本職は二塁手だが、遊撃、三塁も守ることができ、守備には安定感がある。センターラインを固定することができれば、チームに安定をもたらすことは間違いない。

 球界内で後藤の評価は高く、今季推定年俸が力量と比較して低い。FA権を行使した場合は、他球団も獲得の意志を示す可能性が十分ある。ただ楽天は、星野氏を監督に迎え入れるという重い決断を下した。ふさわしい実力者を仲間に加え、力強く「星野楽天」のスタートを切る。

 [2010年10月20日9時48分

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