<セCSファイナルステージ:中日5-0巨人>◇第1戦◇20日◇ナゴヤドーム<平成の名将対決
落合監督VS原監督>
リーグ優勝の中日とファーストステージを勝ち上がった巨人が激突したクライマックスシリーズ(CS)。CSでは07年から4年連続となる因縁の対戦となった。巨人原辰徳監督(52)、中日落合博満監督(56)の2人にスポットを当てる「平成の名将対決」を今シリーズ中連載し、短期決戦での起用法、采配に迫る。坂本の代役に古城抜てきも実らなかった原監督に対し、落合監督は藤井淳志外野手(29)を6番に抜てきすると2打点と的中した。
落合監督は試合後、会見場にやってくると1つ大きく息をついた。「ふう~…」。重要な意味を持つ初戦をものにした達成感からか、自然と笑みが浮かんだ。「まあまあ、動けていたかな。中途半端に空くよりよかったと思う。疲れが抜けたんだと思う。ちょうどいい期間じゃないのか」。
気にかけていたのは、やはり「17日間の空白」。誰もが不安視していたその空白は1回にナインがつないだ5本の安打が解決してくれた。だが、その裏には落合監督が仕掛けたスタメン争奪戦があった。象徴していたのは今年固定できなかった6番に先発起用した藤井だった。
今季63試合でスタメン出場は38試合。シーズン中の優先順位ではルーキー大島洋平外野手(24)、野本圭外野手(26)より下だった。直前の宮崎合宿では結果を出せなかったため、本隊が名古屋に戻った後も宮崎に残って“追試”を課された。そんな藤井を起用し、2点先制後の1回1死二、三塁からの右前2点適時打が勝負を決めた。
「短期決戦はシーズンで頑張ったからとか、そういうことを一切、頭から消さないとだめなんだ」。04年、06年と日本シリーズに2度続けて敗れた。その屈辱の末にたどり着いた鉄則がこの日のオーダー。過去も、未来も、情もいらない。あるのは、ただ「今」だけ。10月20日、ベストの選択が藤井だった。
会見の最後にこう言った。「宮崎(の4試合)をオープン戦と考えれば大体シーズン通りだろ」。ペナントレースをキャンプに、教育リーグをオープン戦になぞらえた。つまり、この日は144試合という“過去”をご破算にして迎えた2度目の「開幕戦」。チームが緩むはずもなかった。【鈴木忠平】
[2010年10月21日12時13分
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