プロ野球横浜の球団売却をめぐって、TBSホールディングスと住生活グループとの交渉が27日、決裂した。両社は26日まで交渉を重ねたが、最終的に折り合わなかった。

 神奈川・横須賀市内のベイスターズ総合練習場で秋季練習に臨んだ選手らは、交渉決裂の報に困惑の表情を浮かべた。

 26日に国内フリーエージェント(FA)権の行使を示唆した村田修一内野手(29)は「うまいこと進んでいると思っていたのに残念。またいろいろなことを考えないと。球団がなくならないことを祈っている」と話した。売却交渉が表面化してから、球団との交渉はまったく進んでいない。「(31日からの奄美大島)キャンプでできると思ってたけど、分からない」と戸惑っていた。行使を表明している内川聖一内野手(28)も、影響について「親会社が変わるとか、本拠地が変わるとかは関係ない」と話しつつ「不安はある」と打ち明けた。尾花監督は「やることをやるだけ。練習をやめるわけにはいかない」と話した。

 27日、球団から選手らに対して事情説明はなかった。選手会長の村田は「説明してほしい」と、選手の気持ちを代弁するように言った。加地社長が28日に説明を予定しているが、31日からは奄美大島での秋季キャンプが始まる。3年連続最下位の低迷から抜けだすべく、これまでの野手、投手の分割開催を変更し、三浦らベテラン勢やFA宣言をする内川の参加も決まっている。しかし、現場は野球だけに集中しきれていない。ほぼ固まっているコーチ陣の発表も先送りにされており、キャンプから新スタッフで臨むことは難しい。来季への出遅れ感は否めない。

 [2010年10月28日9時29分

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