日本ハム中田翔内野手(21)が、封印していたキャラクターの解禁を高らかに宣言した。25日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、プロ入り初のアップとなる600万円増の推定年俸1800万円でサインした。今季はプロ初本塁打を含む9本塁打を放ち、シーズン終盤でブレークし、来季は定位置奪取を目標に設定。「ネコをかぶっていた」という豪快な個性を爆発させ、名実ともにスターになる野望を明かした。

 本領発揮の予感漂う3年目を終え、あの野性味が戻った。中田が、秘めていた自己プロデュース計画を豪語した。「今はネコをかぶっているだけなんで…。結果を出して、言いたいこと言って、やりたいことをやるのがカッコいい」。高校時代の実績と言動で沸かせたプロ入団当初をほうふつとさせる変身宣言だった。

 つかんだ手応えが、豪快発言の土台だ。今季は開幕1軍ながら、直後に2軍降格。5月に左ひざ半月板の手術をするなど、苦難の1年だった。「今の結果では周りの皆さんの信頼もない」と自覚。7月に再昇格するとプロ初アーチに、4試合連続本塁打を含む9本塁打を放ち、悲願のレギュラーどりへの1歩を刻んだ。

 周囲の期待に応えられなかった2年間から脱皮。「結果を出さないといろいろと言われるのは慣れている」と、雑音にじっと耐え忍んできた。注目を浴びる存在だったことで、奔放な発言、奇抜な髪形などで、中傷を受けることも多かった。言動に慎みながら鍛錬を続け、トンネルの出口を見つけた。この日も「9本塁打?

 中途半端やった」と2ケタに届かなかったことに、中田節がさく裂した。

 同世代で甲子園で対決し、沸かせた早大・斎藤のプロ元年ともなる来季。双へきの野手の主力候補がパフォーマンス、個性を爆発させる。「まずはグラウンドで暴れてからですけれどね」と、冷静にその時を見据えた。佑ちゃんと対極にあるキャラクターを解放し、中田が野心を有言実行する。【高山通史】

 [2010年11月26日11時19分

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