来季こそロケットスタートでV争い!!

 広島が27日、広島市内の球団事務所で仕事納めした。松田元オーナー(59)は2011年の「開幕ダッシュ」を指令。今季はシーズン2戦目から7連敗を喫し、早々とペナントレースから脱落しただけに、同じ失敗は禁物だ。投手陣の奮闘による“貯金生活”を要望し、観客動員数でも、160~170万人到達を大目標に挙げた。

 眼鏡の奥の眼光が鋭くなったのは、来季の抱負を求められたときだ。2010年の仕事納め。13年連続Bクラスの苦杯をなめた松田オーナーは語気を強めた。

 「前半で飛ばしてくれないといけない。前半でどれだけ行くか。ダッシュが重要になる。貯金で、上にいないと。貯金5以上あれば安心する。キャリアのないチームだけに、どこかで伸びていかないといけない」

 勝負事は先手必勝が優位だ。今季は開幕直後のつまずきがすべてだった。3月26日の開幕戦・中日戦(ナゴヤドーム)を前田健太投手(22)の快投で制したものの2戦目から先発陣の背信が続き、悪夢の7連敗を喫した。疎外感を味わったシーズンだからこそ、コイの総帥も「いままでは5割からどれくらい離されないかの勝負だった。貯金が減る恐怖を味わったことがない。違う苦しさというか、喜びを味わってほしい」とエールをおくった。

 開幕ダッシュのキーを握るのは投手陣だ。7連敗中、先発スタッフが序盤に大量失点を重ねるパターンを繰り返し、打線も手の施しようがなくなった。同オーナーは「春先は投手。投手が安定していたら何とかなる。後ろに投げる投手を増やしたし、いい形になるかも。『5、6回まで先発が投げれば』という形を作れればいい」と説明した。

 今オフは、2度セーブ王に輝き巨人を戦力外になった豊田を獲得。オリックスからは菊地原が古巣復帰するなど、経験豊富なセットアッパーが加入し、救援陣の層は厚くなった。先発への負担が軽くなればプラスに働くのは間違いない。05年には小気味よく巨人との開幕3連戦を3連勝したが、大失速で終わってみれば6位。3、4月の勝ち越しもこの年以来遠ざかる。

 今季は5位に甘んじたにもかかわらず、主催72試合で球団歴代2位の160万93人を動員した。それだけに「目標で160~170は行きたい。絶対に行かないといけないのは150(万人)」と同オーナー。マツダスタジアム開場3年目の来季は初のクライマックスシリーズ開催も目標だ。「『逆襲』よ!

 『STRIKIN

 BACK』よ!」と、来季のキャッチフレーズも口にした。負の歴史にくさびを打つためにも、鮮やかなスタートダッシュを決めたい。【酒井俊作】

 [2010年12月28日10時36分

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