自称4割の長距離砲がやってきた。中日の新外国人フェリックス・カラスコ内野手(23=ドミニカ国内リーグ)が23日、中部国際空港に来日。推定年俸15万ドル(約1200万円)の格安助っ人は「飛距離ならメジャー選手よりも自信がある」と豪語。国内リーグで4割を打ったと言うスイッチ打者が、竜の秘密兵器になる!
航空機到着から約1時間。出迎えた球団関係者が首を長くして待ち続け、ようやく到着ロビーに現れた男は真っ白のTシャツ姿だった。アメリカのビザを取得していないため、ドイツ・フランクフルトを経由しての長旅。それも、入国手続きに予定外の足止めを食らった。来日早々、いきなりのトラブル。だが、格安助っ人は目を輝かせて言い放った。
「書類を書くのに戸惑っただけ。半袖?
アメリカでも寒いところでプレーしていたから大丈夫だよ。自分のすべてをアピールしていきたいね」。
どこまでも謎めいている。メジャー経験がある新外国人グスマンに比べても、その実力は未知数だ。球団から発表されたプロフィルによると、昨季はドミニカの国内リーグに所属。“自称”30試合に出場し、10本塁打、34打点を記録。打率はなんと4割!
これが本当ならイチローもびっくりの即戦力候補だ。
口の方も絶好調。オフのドミニカ共和国のウインターリーグではグスマンと同じエスコヒドに所属。アレクシー・カシーヤ(ツインズ)フェルナンド・タティス(メッツ)らメジャーで活躍する同郷の内野手と張り合ったという。だが、決して大リーガーに負けていないとアピールした。
「去年は一塁、三塁と外野もやった。言われたところはすべてやってきた。代打だけじゃなくスタメンでも出てたよ。飛距離には自信がある。ボクは彼らよりもすごい打球を飛ばすよ」。
現在はチェン、ブランコ、ネルソン、そしてグスマンに続く「第5の助っ人」。だが、本人の話が本当なら、今季中に1軍出場する可能性も十分にありそうだ。昨季は同じく両打ちのセサルを獲得したが、実力を発揮できないまま退団となった。第2のセサルにならないことを祈るばかりだが、本人は自信満々だ。
「とにかく必死に頑張って競争に勝ちたい」。
早ければ今日24日の合同自主トレにも参加する予定。竜の秘密兵器になるのか。ビッグマウスぶりが少し気がかりだが、果たしてその実力は?
【桝井聡】
[2011年1月24日11時9分
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