巨人阿部慎之助捕手(31)が「見て、受けて」投手を育てる。宮崎キャンプは5日、第2クールがスタート。阿部はブルペンで多くの投手の球を受ける狙いもあり、この日から独自調整を行うS班入りした。

 「たくさん練習しますよ」。練習拠点の木の花ドームに着くと笑顔で言った。その言葉通り、ノックまでを終えるとブルペンへ。第1クールは全体練習をしつつブルペンに駆け込んでいた。だが、この日からは「自分の時間を精いっぱい使える」。今季の活躍が期待されるゴンザレス、新外国人アルバラデホ、越智、星野、小野と向き合った。

 受けた球数は計185。第1クールより増えたか聞かれ「うん、いいんじゃないですか」とほおを緩めた。マスク越しだから見える景色、長所や短所がある。新戦力の能力を直接感じられる。外国人投手とは投球後に通訳を交え話し合い、日本人投手には助言を送った。沢村は球こそ受けなかったが、鋭い視線で観察した。星野は「こうやったら打者が打ちにくるとか、試合でしか経験できないことを言ってくれる」。投手に実戦さながらの経験を積ませるだけの能力と存在感を発揮した。

 自分自身にも妥協はない。ブルペンから戻って打撃練習し、その後に再び打ち込んだ。ブルペン入り前には、数分間でサンドイッチを食べて昼食を済ませた。それほどスピーディーに動いた阿部は、13日終了の第3クールまでS班で調整する予定。

 「信用されてこっち(S班)に置いてもらっているので、しっかりやらないとって、責任感はある。実戦に入って元気で大丈夫ってアピールしないと、こっちにいる意味がなくなるからね」。V奪回への準備に抜かりはない。【浜本卓也】

 [2011年2月6日9時21分

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