<広島3-4巨人>◇15日◇マツダスタジアム
巨人坂本勇人内野手(22)が、けが人が続出するチームの危機を救った。阿部、山口、高橋由に続き、前日14日に臨時主将の小笠原が離脱。亀井も右手薬指骨折で欠場した中、4試合連続「3番」でスタメン出場。「63年会」の同期生で広島のエース前田健から先制打&追加点となる5号2ランを放ち、打線をけん引した。今日16日から阿部、山口も1軍に合流。危機的状況から完全に脱したわけではないものの、17日からの交流戦に向けて弾みはつく1勝だ。
カラッと晴れた広島の青空に、ひときわ輝く一筋の光が見えた。「入れ!」。坂本が祈りを込めたボールは、左翼席の防御ネットにぶち当たった。2点リードの5回1死二塁、チームの重苦しい空気を振り払う5号2ラン。広島のエース前田健にトドメの一撃を見舞った。「すごくいいピッチャーだし、すごく自信になる」。目に焼き付けた放物線をかみしめながら、ダイヤモンドを1周した。
1人、また1人戦列を離れていく危機的状況に、チームにも動揺が走った。この日、前日14日の試合で3安打を放った亀井が、右手薬指の骨折で戦線離脱。阿部、山口、高橋由、小笠原に続き、主力5人目の離脱者が出たが、坂本は冷静に現実を受け止めた。「今いる選手で頑張っていくしかない。自分が引っ張っていけるように頑張ります」。チームリーダーの重責を担う責任感が自然と芽生えた。
任された打順は4試合連続で3番だった。入団以来目指してきた目標の場所。開幕前のオープン戦でも抜てきされたが、当時は自問自答を繰り返す日々だった。3月下旬、記者に「僕の3番ってどうですか?」と尋ねた。思案する記者の返答を待たずに「僕、プレッシャーにつぶされてます」と横目でチラリ。冗談交じりではあったが、背負うべき重圧と日々、闘っていた。
自分の形を模索するのに必死だった。今年掲げた目標は「打率3割」だったが「3番を任されるなら、ホームランも、と思うのが本音です。中軸ならファンの方も期待していると思うんです。自分の中でどう整理するかですよね」と吐露。長打力と確実性の両面で揺れ動いていたが、その答えを導き出したのは、自らのバットだった。
3回2死二塁では外角直球を「強引にいかずにセンター方向に」と狙い通りの右打ちで先制適時打。5回の1発は「うまく反応できた」と振り返るように、本能で打ち返した。「チャンスで回ってくるんで、いい場面で打てるように」。状況に応じた打撃で、チームの勝利に直結する打点を積み上げる。得点圏打率は5割超え。勝負強さが「3番坂本」のスタイルだ。原監督は「勇人(坂本)がいいところで打ってくれた」と称賛したが「まだまだ発展途上。道半ばにもいってないよ」とさらなる期待も込めた。今日16日からは阿部、山口が合流。交流戦に向け、反攻態勢が整ってきた。【久保賢吾】



