ダルを止めろ-。2試合連続サヨナラ弾のミラクル男・中日平田良介外野手(23)が球界のエースに挑む。今日8日の日本ハム戦(札幌ドーム)で対戦が予想されるのは、35イニング連続無失点継続中のダルビッシュ。前回対戦(5月25日)で完封負けを喫したが、その試合に出場がなかった平田はその後、2試合連続サヨナラ弾などすっかり覚醒した勢いがある。
名古屋から空路で札幌へ。敵地に乗り込んだ落合竜は早速、札幌ドームで練習。今日第1戦の焦点はただ1つ。ダルビッシュを打てるかどうか。グラウンドに立った野手陣はだれもがマウンドに怪物右腕の姿を思い浮かべてバットを振っただろう。
その中には現在チームで最も期待感を抱ける男・平田がいた。
「すごい投手です。本当にいい投手。そういうイメージしかない」。
フリー打撃を終えると汗びっしょりになりながら、こう話した。前回対戦の25日、三塁すら踏めず、わずか4安打で完封負けを喫した。その試合、平田は1度も打席に立つことなく試合終了を迎えた。ベンチから見たダルビッシュにはただ、ただ「すごい」という言葉しか出てこなかった。
とぼけておきながら、とんでもないことをやるのが平田という男。4日西武戦、5日ロッテ戦では2試合連続で最終回2死走者なしの状況でサヨナラ弾を放った。プロ6年目で才能が開花し始めた。今回も相手を持ち上げておきながら、腹の底では1発狙っている。「ワンチャンスですよね。そこしかないと思っています」。そう言うと目を輝かせた。
中日が53年ぶりの日本一に輝いた07年、優勝を決めた日本シリーズ第5戦でダルビッシュから決勝犠飛を放ったのが平田だ。中学までは同じ大阪の野球少年。両者の間には因縁めいたものも感じられる。現在、どこまで記録を伸ばすか注目されるダルビッシュを止めてこそ、ミラクル男平田に芽生え始めた自信は確信へと変わる。【鈴木忠平】



