<ソフトバンク2-0日本ハム>◇31日◇福岡ヤフードーム

 小久保だ小久保だ、3連勝だ!

 ソフトバンク小久保裕紀内野手(39)が連日の日本ハム主戦打ちで、首位攻防戦3連勝をもたらした。武田勝から1回2死二塁で先制適時打。前日7月30日に難敵ダルビッシュから3打点を挙げ「嫌らしいというか汚い野球をする」と“挑発”されていた。軽くいなした主将のバットで、日本ハムとのゲーム差を今季最大タイの3・5に広げた。

 前日のヒーロー小久保が、3万7025人の大歓声に押され打席に入った。1回2死二塁。武田勝に3球で追い込まれたが、4球目をしぶとくカット。5球目。若干甘く入ってきたスライダーを、左前へはじき返した。二塁走者の本多が生還。ダルビッシュ粉砕から16時間後の福岡ヤフードームが、前日の再現のような盛り上がりを見せた。

 小久保

 普通はあのままヒーローインタビューにはならないけど、摂津が素晴らしい投球をしてくれた。

 18年目のベテランは、この3連戦の持つ意味を誰よりも理解していた。初戦に勝利しても「大事なのは明日、明後日」と、天敵2人を意識し続けた。この日の先発は武田勝。今季は4月の対戦で土をつけたが昨季は7試合対戦し5勝を献上、1度も黒星をつけられなかった。

 小久保も武田勝には昨季、対戦打率2割1分4厘と苦しめられた。極限の集中力で先制パンチを決めた。「甘いところに来てくれただけ」と謙遜したが、4回にもスライダーをとらえて左前打。貴重な追加点のホームを踏んだ。2人の天敵を攻略したことは、終盤戦へ大きな価値がある。

 小久保

 強い日本ハムに3連勝することができてうれしい。

 場外戦でも主将らしく戦った。前日の試合後にソフトバンク打線を“挑発”したダルビッシュの発言を、余裕の対応でさらりとかわしてみせた。

 小久保

 ああしないと打てないだけ。あれはダルビッシュが変わったから。153キロの動く球を、振り回しても打てるはずがない。振り回してほしいなら、もっと遅い球を投げてくれないと。

 7月に入ってから2ゲーム差以内でマッチレースを繰り広げてきた日本ハムとのゲーム差は、6月15日以来となる今季最大タイの3・5となった。【倉成孝史】