<巨人4-1中日>◇15日◇東京ドーム

 41歳5カ月の中日佐伯貴弘内野手(41)が球団最年長弾を放った。4点ビハインドの9回1死。巨人の守護神久保の初球ストレートを左翼席にぶちこんだ。今季22度目の完封負けをギリギリで阻止する一撃。横浜時代の09年10月7日ヤクルト戦(神宮)以来、自身2年ぶりとなる本塁打だった。

 「この時期に打席に立たせてもらえるということが、前を向ける材料になった」。若手に混じって宮崎で行われている教育リーグに参加していたが、1軍からの「昇格」の連絡を受けて急きょ前日14日に東京へ駆けつけた。9月20日以来となる1軍復帰。試合中はベンチで神経を集中させて打席での自分をイメージ。たった1球で結果を出した。

 ただ、試合後に笑顔は一切ない。「勝ちたい。勝ち試合で打ちたい。明日はみんなが目をむいて、牙をむいて襲いかかるはずです」と真っ黒に日焼けした顔を引き締めた。今日16日もベンチスタートが濃厚。一球一打にすべてをかける。【桝井聡】