横浜買収を目指しているゲームサイト「Mobage(モバゲー)」の運営会社ディー・エヌ・エー(DeNA)が、将来的な社名変更を担保に「横浜モバゲー・ベイスターズ」という球団名で球界参入の道を探っている可能性が出てきた。同社の守安功社長(38)は28日、東京・渋谷区の同社前で、「会社名と球団名の問題が残っていると思うんですが、TBSさんとか関係各位と協議していまして、おそらくクリアできるというふうに考えております」と話した。

 横浜の親会社TBSホールディングス(HD)と同社は、28日に予定していた球団買収成立発表を延期した。26日に巨人の渡辺恒雄球団会長が、商品名であることを理由に「モバゲー」を球団名にすることに難色を示したことが影響したとみられ、両社は善後策の協議に追われている。守安社長は具体的な内容については言及しなかったが、同日夜、都内で取材に応じた渡辺会長は「親会社の名称を変更するなら問題ない」と発言。手続き上すぐには無理でも「(名称変更の)確約を取って(球界に)入れるとか。一札とって。(両社の)救済策がないか、まじめに考えている」と、将来的な社名変更を担保に「モバゲー」球団名を認める考えを示した。

 ただし、社名変更には株主総会の承認が必要。DeNAの定時株主総会は来年6月に予定されている。また、今回の案について、渡辺会長自らが「そういう特例がないか、逃げ道がないか」と話しているように、DeNAの参入自体に反対している楽天などが道義的な問題を指摘する可能性もある。

 ◆DeNAの社名

 遺伝子を意味する「DNA」と、インターネットを介して受発注や決済、契約などの商取引を行うことを意味する「eコマース」の「e」を組み合わせたもの。同社ホームページでは「私たちは、eコマースの新しい遺伝子を世の中に広めていくDNAでありたいと考えています」と説明している。