横浜DeNAの新監督候補に、元巨人の中畑清氏(57)が浮上した。横浜は5日、横浜市内の球団事務所で、前ヤクルト監督の高田繁氏(66)のゼネラルマネジャー(GM)就任を発表した。就任会見の席で高田氏は、初代監督として就任要請した前西武の工藤公康投手(48)との交渉を断念したと公表。GMと監督として信頼関係が築けなかったことが理由と説明した。誕生目前だった「工藤監督」が消滅した横浜は人選を急ぐ。巨人時代、高田氏とともにプレーして気心も知れた中畑氏が、候補の1人として浮上した。

 組閣が白紙となった横浜の監督有力候補に、元巨人の中畑氏が浮上した。この日のGM就任会見で、高田GMは焦りを隠さず、これまでの候補から早急に絞り込む意向を明かした。「初めから(監督候補を)1人に絞っていたわけではない。その中からということになる」。キャンプインまであと2カ月と時間の猶予はない中で、人選を急ぐ構えだ。

 工藤に一本化する以前の候補者から再浮上したのが、中畑氏だ。同氏は指導者として巨人打撃コーチ、アテネ五輪ではコーチとして長嶋監督に代わり指揮を執った経験がある。これまでDeNAは監督候補の条件に「若さ」を挙げてきたが、春田オーナーはこの日、「60代はどうかと思うけど。年齢のことは。40代、50代なら。若いというだけを言ってるわけじゃなく、ちゃんと広報発信をしてくれる方にお願いしたい」と、年齢には大きくこだわらない考えを示した。高田GMも「若々しいというのも若いうちに入るでしょう。そういうこと(年齢)を考えると、人選の幅が狭まってしまう」と話し、人選には年齢よりも、同社が監督に求めてきた野球ファンへの情報発信力を優先。中畑氏の明るいキャラクターは、この方針と合致し、今後の候補に入ることは間違いない。

 また、工藤との交渉が決裂した原因は「GMとの信頼関係」だった。春田オーナーは「高田さんが言ってきた人に僕らがノーということはない。僕らは分からないのだから。(求める監督像に)違いはないと思う」と、引き続き一任する方針に変わりはない。時間も限られていることから、高田GMの意見が強く反映されるとみられる。

 中畑氏とは、巨人時代からのつながりもあることから、新たに信頼関係を構築する難しさもクリアできる。同GMは「1分1秒でも早く決めたい」と話しており、早急に候補を絞り要請する。