巨人高橋由伸外野手(36)が「20代のヨシノブ」を取り戻す。12日に沖縄・那覇市内で公開した自主トレでは、27歳隠善、22歳中井と走り込む姿があった。約200メートルの両翼間フェンス沿いを8本、疾走した。「思いのほか走れていますね」と、ほおを緩めた。

 今年の抱負を表す1文字は「甦」。目標については「シーズンが終わった時に良かったと思えればそれでいいと思う」と言った。そんな風に思えたのはいつが最後か。少し考え「入って4、5年目ぐらいまでですかね」と回想した。通算打率は入団5年目まで3割2厘、満年齢で20代の7年間は3割7厘。30代に入った05年は初めて規定打席に到達しなかった。具体的な数字目標は言わずとも、よみがえるべくはこのころの20代の自分だ。

 今年の自主トレ第1クールの練習量は、昨年の約1・5倍に及ぶという。09年に腰を手術して以降は再発の恐怖もつきまとった。だが、今年は違う。「今まではけが明けとかだった。慎重に気にしながらやっているけど、動けている」との手応えも、吉兆といえる。

 走った後は内外野のノックに打撃練習、ウエートを行い、第1クールを終えた。「キャンプで振る体、走る体を、こっちでできればと思う」。完全復活の序章となる沖縄自主トレは、20日までだ。【浜本卓也】