巨人宮国椋丞投手(19)が「野球道」を胸に開幕ローテーションを奪取する。5日、都内で行われたNPB新人選手研修会に参加。昨年は卒業式で出席できず、1年遅れとなったおかげで、この日講師として登壇した巨人OBの桑田真澄氏(43=野球評論家)から飛躍のヒントを得た。明日7日の広島戦(倉敷)に先発。念願の1軍公式戦デビューに向け、ラストスパートに入る。

 会場の最前列中央に着席した宮国が目を見開いた。最終講義の「先輩プロ野球選手からプロ野球の後輩へ」で桑田氏が登場。あこがれの大先輩が自身の23年間のプロ野球生活を「野球道」という言葉を用いながら熱弁を振るった。講話を食い入るように聞き入った宮国は「桑田さんの野球人生を学べたので、すごく勉強になった」と感激。最も印象に残ったことは、という問いには「成功している選手でも挑戦し続け、積極的に取り組んできたということ」と話した。

 新人選手を対象にした研修で2年目で参加したのは数人程度だったが、桑田氏からの“アドバイス”は今の宮国にも当てはまる。桑田氏は言う。「私の野球人生は挫折と失敗の連続だった。でも、私は挑戦し続けた」。「野球には代打、リリーフがある。困ったら誰かが助けてくれる。でも、人生には代打、リリーフはない」。失敗を恐れるな。すべては自分自身の中にある。宮国は持ち込んだノートにペンを走らせ、頭にたたき込んでいた。

 明日7日の広島戦が宮国にとって1つのヤマ場になる。現時点で開幕ローテーションは内海、沢村、杉内、ホールトンが内定。残り2枠のうち、今日6日に登板する東野が1歩リードしている状況を考えると残りは1枠。ゴンザレス、西村、先発転向したマシソンらが顔をそろえるだけに「自分の立場は結果が全て。結果を意識して全力で投げる」と、表情を引き締めた。

 講義を終えた桑田氏も「持って生まれたものはいいものを持っている。それを輝かせるのは本人次第。逃げずに挑戦できるかどうかだね」と、宮国にエールを送った。ここまで1軍初登板から5イニング無失点、7奪三振の快進撃を続け、夢舞台は手の届くところにある。「チャンスはそうはない。今年しかないと思ってやっている」と宮国。甘いマスクに、日に日に精悍(せいかん)さが増してきた。【為田聡史】

 ◆桑田氏の1、2年目

 PL学園から85年ドラフト1位で巨人入団。エースナンバー18を背負い、1年目の86年5月25日、中日戦で8回にリリーフ登板して1軍デビュー。6月5日阪神戦で初勝利を初完投でマークした。先発ローテーションに定着した2年目の87年にリーグトップの207回2/3を投げ、チーム最多の15勝。最優秀防御率と沢村賞を獲得した。