<ヤクルト2-1DeNA>◇10日◇神宮

 勝利が遠い-。DeNAが、ヤクルトに今季初のサヨナラ負けを喫した。先発の国吉佑樹投手(20)が6回を投げて、ミレッジの2号ソロによる1失点に抑えたものの、打線の援護がない。7回に森本の適時打で同点とするのが精いっぱい。延長10回裏1死二塁から、山口が田中にサヨナラ適時打を許した。開幕3戦目の阪神戦の初勝利をマークして以降6連敗。この6試合でわずか3得点と、中畑清監督(58)は最初の踏ん張りどころを迎えている。

 「どれだけ応援してると思ってんだ!」「まだ諦めるな、監督!」。スタンドから飛ぶ非難、声援…。DeNA中畑監督は帽子を取り「すみません」と何度も頭を下げながら、クラブハウスに引き揚げた。守護神山口を投入しての今季初のサヨナラ負け。「最後は山口で負けない野球を選択したんだけど…。勝利の女神がこっちを向いてくれない。ファンに悪いな。今日はむっちゃ悔しい」。言葉をしぼり出し、無念の表情を浮かべた。

 試合前、メジャー初登板のダルビッシュについて聞かれた中畑監督は「打線がすごいね。あの打線が欲しい。あれだと(ダルビッシュは)何勝するだろうね」。投球より先に援護した打線が気になるほど、連敗の要因である打撃不振に気をもんでいた。

 その悪い流れを断ち切ろうと、先取点にこだわった。0-0の5回には1死一塁から、今季初スタメンの下園でエンドラン。6回は右前打で出塁した先頭のラミレスに代走荒波を送った。積極策、試合中盤での主砲交代と手は打ったが結果につながらない。「勢いをつけるため、早めに流れを作りたかったけど。重い空気を払おうとして、逆に重くなっているのかもしれない」。

 これで4年連続最下位となった昨季の最大連敗数に並ぶ6連敗。「監督があかんわ。指揮を執っている私に責任がある」と責任を背負い込んだ中畑監督。仕掛けても勝利に結びつかない負の流れ。開幕9試合にして、大きな壁にぶつかった。【佐竹実】