<西武2-3日本ハム>◇19日◇皇子山

 日本ハム稲葉篤紀外野手(39)が“満塁男”ぶりを発揮し、2000安打へカウントダウンに入った。1点を追う6回2死満塁、西武岸から右中間へ逆転適時打を放った。「みんなが我慢してつないでくれたチャンス。岸君はいい投手。チャンスは少ないし、集中して打席に入りました。積極的にいこうと思った」。11日のソフトバンク戦でグランドスラムを放つなど、今季の満塁機は4打数4安打9打点と、抜群の強さを誇っている。

 チームを勝利に導く安打で、通算2000安打まで10と迫った。だが、チームの勝利を最優先するベテランは、個人記録の話題に乗らなかった。「2000本を打つためにやっているんじゃない。チームが勝つためにやっているので」。

 39歳にして、体も進化している。今季はトレーナーの手を借りないことをテーマとし、試合後のマッサージも数えるほどしか受けていない。「(昨季は)疲れたからとすぐ(マッサージを)受けていたけど、それでは自分の力で体が回復できなくなる」。その分、ストレッチや半身浴には、倍以上の時間をかけて入念に準備。「その効果が出ているのかは分からない」が、体は開幕から好調子を維持している。

 進化する肉体は、驚きの数値にも表れている。今季が始まる前の身体測定で、身長が0・5センチ伸びていることが判明した。39歳にして、まだまだ“成長期”。この日2位に浮上したチームを、さらに大きくなった体でけん引している。【本間翼】