巨人内海哲也投手(30)が13日、今年7月26日に取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使しないで、巨人に残留することを決断した。前日12日に都内で原沢敦GM(56)と会談し、この日、残留の決意を伝えた。球団は4年20億円規模の大型契約を提示しているとみられ、合意は「生涯巨人」を意味する。なおFA権行使の申請期間は13日で終わり、今日14日にコミッショナーが宣言選手を公示する。

 都内のジムで取材に応じた内海は「決めました!」と、快活に話し出した。

 内海

 巨人に入った時は、まさかFAを取れる選手になれるなんて思ってなかったのが正直な気持ちです。僕は巨人で野球がやりたくて、巨人に入りました。入った今も、チームが大好きな気持ちは変わりません。生涯巨人という気持ちは僕の中にずっとあります。今回、球団からはすごくありがたい言葉をいただきました。原沢GMからは君の力が必要だと言われ、本当にうれしかったです。来年も、チームの連覇に貢献できるように全力を尽くします!

 球団関係者によると、提示した契約内容は「杉内が基準になっている」という。昨年、ソフトバンクからFAで獲得した際の「4年20億円」だ。今季推定年俸2億2000万円からジャンプアップし、再契約金や出来高など、すべてを合わせると、杉内と同等規模の大型契約となる。長期間の貢献を求める球団の気持ちに、内海も応えた格好だ。

 2年連続最多勝に加え、日本シリーズMVP。チームの3年ぶり日本一に貢献した。原沢GMはこの日、都内の球団事務所で報道陣に「彼が投手陣のまとめ役として一生懸命やってくれたことは評価しているし、練習態度もまじめに若手の手本になってくれた。その選手の流出は、こちらとしては避けなければいけない。残留してほしいと、何度も何度もお願いをしました」と、不可欠な存在と強調した。

 入団前から貫く気持ちを、ずっと貫くことができる。7月にFA権を得て、自身の野球人生を見つめ直す契機になったのも事実。ただし、結論は揺るがなかった。初志貫徹。巨人のエースになるために、プロ野球選手になった-。ジムからの帰途、内海は言った。「必要とされて、僕は幸せです」。選手会長は、来年以降も巨人を支え続ける。