<中日1-11DeNA>◇4日◇ナゴヤドーム

 偉大な先輩から大記録を達成する。DeNA中村紀洋内野手(39)が適時打を含む2安打を放ち、日本での2000安打まで残り2本とした。今日5日の中日先発は山本昌。「まずチームの勝利ですけど、個人的には昌さんとの対戦を楽しみながら達成したい。あと2本なので何とかして決めたいと思います」と力を込めた。

 47歳と39歳。「年を重ねれば重ねるほど、昌さんがいかにすごいか分かる」。中村もすでにベテランと呼ばれる年齢。故障と隣り合わせで、パフォーマンス維持の難しさを痛感している。その自分より山本昌はさらに上。中日時代の2年間チームメートだった最年長左腕のすごさを、あらためて痛感している。対戦は昨季のみだが5打数無安打。完璧に抑えられただけに「打つのは簡単なことじゃないと思うけど」とこぼしたが、「フルスイングです。全部本塁打を狙っていきます」と全力で攻略することを宣言した。

 そして、もう1人の先輩にも負けない。同じく偉業まであと2本の42歳谷繁だ。「2000本が同じ日というのはないと思うので、僕も達成したいし、谷繁さんにも達成してもらいたい。谷繁さんが先に達成したら、僕も意地でも達成したい」。エールを送りながら、“直接対決”での同時達成に意欲を燃やした。

 ナゴヤドームは育成枠で中日に入団した07年、日本一となり、日本シリーズMVPに輝いた球場。今でもあの大声援は耳に残る。野球の楽しさを、あらためて教えてくれた場所だからこそ、「あのファンの皆さんの前で決めたいんだよ」。大先輩バッテリーとの勝負を制し、恩返しの2安打で一気に偉業を成し遂げる。【佐竹実】