<巨人2-2中日>◇1日◇東京ドーム

 今季限りで退任する中日高木守道監督(72)のレギュラーシーズン最後の東京ドーム巨人戦は、怒りのドロー締めとなった。21選手を使い、再三のピンチもしのいだ4時間28分の激闘も笑顔なし。「よく負けなかった」の問いにかみついた。

 「こっちが弱いみたいやん。勝てたゲームや。こっちは負けたっていいから勝ちたいんだ」

 引き分けは不要という勝ち気な将らしい発想だ。ドローで少々ホッとした空気も漂う通路で、怒りの守道節がサク裂した。

 「若いのは状況が読めんな。みんなボール球ばかり振って」。堂上剛、柳田、高橋周がやり玉。いずれも得点圏で満足なスイングができず凡退した。

 「抹消だ。走るヤツが太もも痛めるなんて怠慢だ」。7回に二盗を試みた際、左太もも裏を痛めて交代した藤井もばっさり。「井端も精彩を欠いとった。あんなボール球をバント(失敗)して」と38歳のベテランにも容赦なく2回で懲罰的に交代。「山井もコントロールが悪すぎる」。6回を2失点に抑えた先発山井も切り捨て、とうとう誰もホメずにバスに乗り込んだ。

 ヤクルト、巨人の東京遠征は4勝1敗1分けと上々の成績。残り3戦全勝が条件ながら、監督が願う巨人戦勝ち越しの可能性も残した。この怒り、CSを勝ち抜きもう1度東京ドームに帰ってきて巨人に一泡吹かせて晴らすしかない。【松井清員】