掛布DCが魔法の肩トントン!?

 阪神伊藤隼太外野手(24)は2日西武戦(春野)で3打数2安打1四球。昨秋キャンプから指導を受けた掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)が見守る前でマルチ安打の活躍だ。試合前の打撃練習で掛布DCと言葉を交わし、前日1日ロッテ戦での快打を笑顔でねぎらわれていた。掛布DCに背中を押され、開幕1軍にまた前進だ。

 前日の雨でぬかるんだグラウンドを、朝からスタッフが入念に整備していた。通常ならグラウンドで行う打撃練習も、この日ばかりは屋内運動場に変更。その入り口では掛布DCが、伊藤隼を今か、今かと待っていた。

 伊藤隼

 おはようございます!

 掛布DC

 隼太、お前よー、俺の前で(昨日)初めてヒットを打ったよなー。

 笑顔で出迎えた掛布DCは、開口一番、伊藤隼の打撃をたたえた。やっと見られたよ…と言わんばかりに、肩を数回たたいた。前日1日の練習試合ロッテ戦(安芸)では唐川から右前打を放った。実は掛布DCが沖縄・宜野座に駆けつけたキャンプ第2クールの実戦3試合では、結果が出ていなかった。掛布DCの言葉と肩トントンに押され、愛弟子は高知2試合目も躍動した。

 「強く振っているので、それが結果として(野手の間を)抜けてくれている。崩されても、しっかり振るようにしている」

 4回だ。無死二塁から、西武レイノルズの落ちる変化球を右手ですくった。ポーンとセンター前に落ちる一打でチャンス拡大。続く梅野の二塁打で三塁に進むと、9番北條の三ゴロで本塁に突入。思い切ったスタートと軽やかなスライディングで、3点目のホームを奪った。6回にも鋭く一、二塁間を破る安打。8回にはじっくり見極めた四球と、好調さを感じさせた。

 「掛布さんの前でなかなか打ててなかったので」と話す伊藤隼の打撃に、ネット裏の掛布DCも笑み。和田監督も、「レベルアップというか、出始めてきている。その日その日じゃなくてね」と実力が備わってきたとの見立てだ。

 屋内の入り口では「大丈夫だと言ってもらいました」(伊藤隼)と、魔法の肩たたきに言葉も添えていた。掛布DCのバックアップで、隼太が開幕1軍入りにばく進する。【松本航】