晋太郎の勝ち運、いただきます。リーグ最速の10敗を喫するなど白星から遠ざかっている阪神能見篤史投手(35)が4日、甲子園室内練習場で汗を流し、勝てない心境を吐露した。8月戦線を優位に進めるにはエースの復調は必要不可欠。首脳陣も中8日と間隔を空けて、リフレッシュ期間を設けた。次回は9日広島戦(京セラドーム大阪)。さて、いかに-。

 チームが勝てばいいです。いつもフォア・ザ・チームを口にしてきた能見には、たまらない状況。「わら」ならぬ、藤浪にもすがる思いだった。甲子園室内練習場からクラブハウスへと向かう通路。取材の終わり間際で、能見は立ち止まっていた藤浪を指さした。

 「こいつの運、もらっときます!」

 能見流ジョークも、数字を見れば運気を吸い取りたくなる気持ちも分かる。ここまで両者ともに17試合に登板し、能見は5勝10敗で、藤浪は7勝4敗。さらにチームは、能見の登板日に5勝12敗と能見が勝たなければ全敗しているのに対し、藤浪の登板日には12勝5敗。エース対決を強いられることもあるが、何かと持っている藤浪と比べて、能見は最近ついていない。

 「自分よりチームが勝たないと。(内容は)もうちょっと良ければいいけれど。チームが勝ってくれたらそれでいい。ただ、全部負けているし。俺が登板した日、チームは全部負けているからね」

 7月31日ヤクルト戦(甲子園)で両リーグ最速の10敗を喫し、現在自身6連敗中。白星からは5月24日ソフトバンク戦から遠ざかっている。首をかしげたくなる数字だが、月が変わればツキも変わるはず。状態は上向きだ。中西投手コーチも「1つ勝てばトントンといくと思う。フォームのバランス、コンディションは問題ないからな」と良薬となる白星を待望する。

 一刻も早い復調を促すため調整期間を長めに設ける処置も施された模様だ。次戦は中8日を空けて9日広島戦(京セラドーム大阪)が有力。14カード連続で登板してきた巨人戦も、12日からの3連戦は藤浪に譲ることが濃厚だ。上昇気流に乗るにはエースの復調は絶対条件。“開運”した能見が待望される。【池本泰尚】